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ビジネスの旬

経営者にとってこれほどやりにくい時代が来るとは思っていなかったでしょう。一旦作り上げたビジネスモデルは相当長い間使える、というのがかつての流れでした。しかし、世の中の急速な発展と技術革新はあらゆる常識観を壊しつつあります。

アップルペイが日本でもいよいよお目見えとなりました。スマホをかざせば電車に乗れるわけです。これが日本のデファクトスタンダードになる可能性は相当高いとみています。ただでさえ、SuicaなりPASMOなりのキャッシュレス時代が起きています。「スマホペイ」が普及しないという方が難しいでしょう。実は最近、小銭入れを探していたのですが、選択肢はぐっと減りました。ましてやキャッシュを持たない北米に於いて小銭入れなるものは存在すらしないのではないかと思うほど全く見つかりません。

これはさらに一歩踏み込めば将来、財布の需要がなくなるかもしれません。まさに携帯電話会社のセールストークではありませんが、「スマホ一つでお出かけ」になるのでしょう。

任天堂の決算がすぐれず、9月の中間決算の売り上げは2000年以来の最低、2017年3月期利益は前期比65%減と下方修正されました。理由はハード、ソフトともに不振だったからですが、これは昨日今日に始まったわけではなく、据え置き型のゲームはコアなファンにだけ残る、と数年前から指摘されていたことが実証されつつあることでしょうか?多くの人はスマホを介したゲームに移行する中、同社はやや意地になって据え置きゲームにこだわったその時間的ロスが先駆者から追手の立場に変わったということでしょう。

日経ビジネスの記事にセブン銀行の強みとして出ていたのが同社のATM。今やすべてのセブンのみならずセブンのないところにも2000台以上のセブンのATMがあるそうです。驚くべきことは新生銀行や地方銀行が自社のATMではなく、セブンのATMを導入していることです。これはセブンのATMが銀行の特定カラーを排除し、顧客目線で使い勝手が良いからだそうでこれもATMの標準化とも言えます。ここまで読めば絶好調のセブンATMです。

しかし、クレジットカードにデビットカード、更にアップルペイが出てくればキャッシュは必要なくなります。これは現金の引き出し手数料で稼いでいたセブン銀行のビジネスを根本から覆してしまいます。本来ではセブンイレブン本体はキャッシュレス対応の自社サービスを開発すべきなのですが、セブン銀行がそうさせません。皮肉なものです。セブン銀行は海外送金機能などで対策を打つようですが、さて、時代の変化にどこまで対応できるでしょうか?

今まで当たり前だったことが明日からすっかり変わる、こんな世界が我々の目の前でごく普通に展開されています。いや、あまりにも当たり前の光景過ぎて忘れていることもあるのでしょう。例えばビデオ撮影機やデジカメの類はスマホに取って代わられました。少し前に東京、青山の裏手を歩いていたところ、小さな写真展が開いていたのでふらっと入ってみました。その写真家が「これ、全部、iPhoneで取ったんですよ」と言われたその作品の数々は自分が持っているスマホでこんな立派な写真が撮れるのかと驚愕の思いでした。かつてプロはプロ仕様の機材を使っていたのです。その垣根がなくなったとも言えないでしょうか?

個人的に長い目で厳しいビジネスモデルの一つと思っているのがスターバックス。理由はネスプレッソのように家庭でも事務所でも質の高いコーヒーが手軽に楽しめる時代が到来したことであります。事務所内ではコーヒーは無料ないしコストシェアで飲めるところも多いでしょう。私も事務所を引っ越してシェアオフィスに入居したら「ドリンク飲み放題」ですのでそれまで毎日散財していたコーヒー代がかからなくなりました。

そのスタバ、リザーブ オンリー(リザーブ ロースタリー)なる高級店をこれから展開し、イタリアのプリンチというベーカリーと提携して新展開を図るようです。日本では中目黒に再来年末に出店する予定です。が、これはどう見てもスタバの派生型ビジネス。本業の流れをどう維持するか、必死の対策が必要でしょう。

私のように小さなビジネスを展開している者にとってはこの激動と展開の速さはある意味、ニッチを生み出すため、チャンス到来とみています。大きな流れの変化にはそこに小魚が群がる余地は大いにあるものです。また、誰もやらなくなった古いビジネスモデルが必要な時もあります。

今やビジネスは5-10年程度のライフしかないと考えています。その間に勝負をつけるためには一つのものに余り大きな期待をせず、身変わりしやすくするスタンスを取ることが大事でしょう。これから10年後には自動車が大変革期を迎えます。世の中からガソリンスタンドがどんどん減るかもしれません。ビール1本までなら飲酒運転が許される時代がやってくるかもしれません。(カナダは今でもそうですが)

豊洲市場の問題の先行きは不明瞭ですが、実は豊洲なんて必要ないビジネスモデルがすでに立ち上がっています。魚が水揚げされた漁港から各消費地まで直送体制が出来つつあります。羽田に空輸された朝取りの魚は午後にはスーパーの棚に並ぶスピード感は豊洲経由では不可能なのです。つまり、豊洲でぐずぐず言っているその間に豊洲そのものの存在価値がなくなるかもしれない変革です。

「非常識を常識に」これが今、肝に銘じなくてはいけないキーワードです。そんなわけないだろう、ということが普通に起きる現代に生きる我々は受け入れる側なら結構ですが、ビジネスとして追いかける側は如何に「非常識な発想を生み出すか」にかかっているとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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