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技能実習生が過労死、外国人技能実習生の制度とは?

 電通の過労自殺事件が連日、大きく報道されていることから、ほとんど世間の関心は寄せられていませんが、場合によっては国際問題に発展しかねない極めて深刻な過労死が発生していたことが明らかになっています。

 岐阜労働基準監督署は今年8月、外国人技能実習生として働いていたフィリピン人男性について、長時間労働が原因で過労死したとして労災認定を行いました。フィリピン人男性は2011年に来日、岐阜県の鋳造会社で、鉄を切ったり、金属を流し込む型に薬品を塗る作業を担当していましたが、2014年4月に従業員寮で心疾患のため亡くなりました。死亡する直前には、1カ月あたり100時間を超える残業を行っていたそうです。

 外国人技能実習生は、企業などで働きながら専門的な技術や知識を習得するための制度で、主に新興国の外国人を受け入れています。表向きは、新興国への技能移転が目的となっていますが、現実には安い賃金で外国人労働者を雇用するための制度と考えてよいでしょう。

 一部の事業者が、残業代の未払いや過重労働を行っていると指摘されており、中には時給に換算すると250円程度で働かされていたケースや、風呂がない環境で住み込み労働を強要されたケースが報道されています。地方などではこの制度がないと事業を継続できないという企業も多く、問題が指摘されながらもなかなか状況が改善しません。現在、国会では待遇改善のための法案が審議中です。

 諸外国でも外国人労働者が不当に安い賃金で雇用されるケースは少なくありませんが、この制度が問題なのは、れっきとした日本政府の事業であるという点です。政府がこうした事業に直接関与し、劣悪な労働環境を放置しているということになると、場合によっては国際政治における格好の餌食になる可能性があります。

 実際、米国務省がまとめた人身売買と強制労働に関する年次報告書では、一部の実習生が強制労働に近い状態に置かれていると指摘されています。こうした状況を放置すれば、日本が人権弾圧国家として一方的に断罪されてしまうリスクはより高まってくるでしょう。

 安倍政権は、外国人技能実習制度による実習生の受け入れ拡大を進めており、すでに21万人の実習生が国内で働いています。日本国内では移民制度に対する強い反発がありますが、現実にはこうした形で移民の受け入れは着々と進んでいます。

 過労死を誘発するような日本人の働き方を是正していくのは当然のことですが、国際問題にもなりかねない外国人労働者の環境改善はもはや待ったなしの状況といってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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