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金融緩和依存から脱しつつある金融市場

 日銀は10月31日、11月1日に金融政策決定会合を開く。この会合では展望レポートも出されるが、ここで日銀の物価目標の達成時期が、これまでの「2017年度中」から2018年度以降に先送りされる見込みとなっている。それで追加緩和をする気配はなく、黒田総裁は21日の衆院財務金融委員会で、追加緩和には慎重な姿勢を示した。

 日銀は9月の会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という政策に変更し、操作目標を「量」から再び「金利」に戻し、フレームワークの変更を行った。昨年12月の補完措置、今年1月のマイナス金利政策の導入、そして今回の枠組み変更の意味するところは緩和措置の限界を示すものである。このため余程の事態が発生しない限りは、追加緩和は実施してこないとみている。

 11月1日、2日にはFOMCが開催される。米大統領選挙前ともなり、この会合での利上げの可能性は薄いとみられる。しかし、ここにきての米経済指標は経済の改善を示すものも多くなっており、市場は年内利上げ観測を強めている。このため12月のFOMCでの利上げ決定の可能性が強まっている。

 2日から3日にかけてはイングランド銀行のMPCが開催される。EU離脱の影響も意識されて追加緩和への期待もあったが、ポンド安などによる物価上昇も意識されていることで追加緩和観測は急速に後退しており、今回は現状維持が予想される。

 ECBは12月の理事会で、量的緩和の時期を延長するなどの対策が講じられる可能性がある。ただし、こちらもマイナス金利の深掘りの可能性はなくなりつつあり、量についても日銀同様に限界が意識されており、いずれ何らかのかたちでテーパリングを検討せざるを得なくなったとみている。

 原油価格の上昇もあり、物価はこれまでに比べ上がりやすい環境となっている。これはFRBにとっての利上げに向けた要因ともなる上に、日銀とECBにとっての環境改善ともなる。物価が少しでも上昇基調を見せると、少なくとも金融市場から追加緩和圧力にさらされることはなくなる。さらに技術的なものとしてテーパリングを行ったとしても、市場への影響は限定的となる可能性がある。

 もちろん原油価格がこのまま上がり続けるという保証はない。しかし、市場は以前に比べると中央銀行の金融政策を最大の材料として動くことがなくなりつつある。金融政策ですべての物事がうまく行くわけではないことを、さすがに理解してきたのかもしれない。米大統領選もクリントン候補の勝利となれば、こちらも大きなリスクは後退する。市場はよほどのテールリスクが発生、つまりブラックスワンが出てこない限りにおいては、次第に金融緩和依存体質から脱しつつあるのかもしれない。

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