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介護事業者、倒産件数が過去最高のペースに 事業所の増加で、新規・小規模事業者の淘汰が続く

サイトウ イサム[著] / 加藤 秀行[著]

 介護サービスを提供する事業所が増加して競争が激化。介護報酬の改定も影響し、経営基盤が弱い小規模事業者の淘汰が進んでいる。

 厚生労働省は9月14日、平成27年「介護サービス施設・事業所調査」の結果を発表した。調査は介護保険制度における全ての施設と事業所を対象に、10月1日現在の状況について調べたもの。

 介護サービスの事業所数をみると、ヘルパーが利用者の自宅を訪れ、身体介護や生活支援をする「訪問介護」が3万4,823事業所で前年より912事業所増加、日帰りで施設に通い、食事や入浴など日常生活上の介護や機能訓練などをする「通所介護」(デイサービス)が4万3,406事業所で同1,746事業所増加した。

 介護保険施設の施設数は、在宅復帰を念頭に日常生活上の支援や機能訓練などを行う「介護老人福祉施設」(特別養護老人ホーム)が7,551施設で同302施設増加、医療ケアやリハビリを必要とする要介護状態の高齢者を受け入れる「介護老人保健施設」(老健)が4,189施設で同93施設増加、比較的重度の要介護者に対して充実した医療処置とリハビリを提供する「介護療養型医療施設」が1,423施設で同97施設減少した。

 一部の施設が前年比で減少しているものの、介護サービス事業全体の事業所や施設は増加傾向にある。その一方で、介護サービス事業者の倒産件数も増えているようだ。

 東京商工リサーチが10月7日に発表した「老人福祉・介護事業の倒産状況」によると、1月から9月の間に倒産した老人福祉・介護事業は、前年同期比35.0%増の77件だった。これまで年間倒産件数が最も多かったのは前年の76件で、9月時点ですでにこれを上回っている。業種別では、デイサービスセンターを含む「通所・短期入所介護事業」と「訪問介護事業」が各32件、「有料老人ホーム」が7件など。また、倒産した事業所を設立年でみると、設立から5年以内の新規事業者が36件(構成比46.7%)に達したほか、従業員数5人未満の小規模事業者が53件(同68.8%)に達するなど、小規模な新規事業者の倒産が増えて全体を押し上げた。

 2015年4月の介護報酬改定では基本報酬が引き下げられる一方、充実したサービスを行う施設への加算は拡充され、加算の条件を満たすのが難しい小規模事業者は厳しい経営状態にあると同社は指摘している。

 介護サービス事業は、事業所や施設の増加で競争が厳しくなる中、経営基盤が弱い小規模事業者の淘汰が続きそうだ。

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