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公的年金への不信とリスク資産

昨日の「公的年金への不信が預金を生む」では、公的年金への不信が、株式投資しようという意識を損なうと書いた。このことについて、別の言い方が可能である。公的年金をリスク資産だと思えばいい。

リスク資産とは、損失の可能性のある資産のことである。株式がリスク資産の典型である。

一方、公的年金は、日本国がなくならないかぎりほぼ確実に支給されるから、保険料を真面目に払ってさえいれば(徴収されてさえいれば)、個々人にとって立派な資産である。とはいえ、いつ支給条件が悪くなるかも知れず、減額される可能性を常にかかえている。特定の状況に置かれていないかぎり、増額されることはほぼない。こう考えれば、株式よりもリスクのある資産かもしれない。

老齢基礎年金の金額は現在のところ、満額で78万円とのこと。65歳から支給を受け、男性の平均寿命である80歳まで生きれば16年間だから、支給される年金合計は1248万円である(利息を考えていない)。

これに対して、個人が保有する金融資産は全体で1600兆円、1人当り1300万円程度である。基礎年金の合計金額とほぼ同じということになる。つまり、公的年金の金額は(つまり財産としての価値)はきわめて大きい。もちろん、年金受給権の生じていない若者や子供をどう考えるのか、基礎年金に上乗せされる厚生年金はいくらあるのか等を考えない、非常に大雑把な比較ではあるが。

この大事な公的年金にリスクがあるとすれば、個人は自分の財産形成をどう考えるだろうか。すでに、リスク資産を十分に保有していると考えても不思議ではない。これに加え、株式というリスクのある資産を持とうと考えるだろうか。

以上で述べたことを、日本の個人は直感的に理解しているのではないだろうか。そうだとすれば、貯蓄から投資への流れを作るのはきわめて難問である。

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