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ECBやイングランド銀行は追加緩和に躊躇か

ECBのドラギ総裁は25日のベルリンでの講演で、「時間とともに厄介な副作用が蓄積する可能性があり、金利をこのような低い水準に極めて長い期間維持せずに済むことをもちろん望む」と述べた。さらに「異例の金融支援がなくても物価安定が持続可能な形で達成できれば、緩和措置を解除する」とも述べていた。(ロイター)。

 ドラギ総裁は金融緩和政策の正当性を主張した上で、上記のような発言を行っていた。これはドイツの銀行を中心とする低金利による業績圧迫への不満にも配慮する姿勢を示した格好ともいえるが、追加緩和一辺倒の政策が微妙に変化しつつあることをうかがわせる。

 10月のECB理事会ではQEの期間延長もテーパリングも議題に乗らなかったとされ、市場では米大統領選挙を含めたイベントを確認したのち12月の理事会で、QEの期間延長を決定するとの見方が強まった。

 ただし、この際にドラギ総裁は「QEをテーパリングすることなく、唐突に停止することはない」と発言している。QEの期間延長についても買入国債が不足してくることも予想され、何らかの技術的な配慮(補完措置?)がある可能性もあるが、その間に買い入れる国債の額を徐々に減らし、つまりテーパリングを決定してくる可能性もありうる。ECBも量的緩和のフローからストックの面を市場に意識させれば出口政策ではないとの主張も可能となるかもしれない。

 そしてイングランド銀行のカーニー総裁も25日に英上院委員会で証言し、「金融政策委員会がインフレのオーバーシュートを静観するにも限界がある」とし、11月3日の金融政策会合では、最近のポンド安を「間違いなく」考慮すると述べた(ロイター)。市場では英国のEU離脱の影響もあり、追加緩和への期待もあったようだが、この発言で追加緩和観測は後退した。

 メイ英国首相が低金利など金融緩和策には「悪い副作用がある」と批判したことについては、首相は金融政策運営の変更を提案したわけではないと考えていると、カーニー総裁は述べていた。英国政府も大胆な金融緩和を行ってきた中央銀行から距離を置こうとしているかに思えるが、これは日本や米国なども同様か。

 ただし、カーニー総裁は政治的な圧力よりも素直に通貨安に伴う物価の上昇を意識していることも明らかであり、物価の動向次第では緩和策から引締策に転じてくる可能性もある。もともとイングランド銀行は英国のEU離脱がなければ、FRBに続いて出口政策を模索していたはずである。

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