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囁かれる?「ベンツェン・シーリング」の再来

米大統領選も佳境に来て、近頃よく問い合わせを受けるのが為替への影響です。

筆者としては、”ベンツェン・シーリングの再来”を懸念しています。

時のロイド・ベンツェン財務長官の名前に由来し、ドル円で113~114円(113.60円)を指しますますよね。

1992年の米大統領選で共和党現職に勝利し発足したクリントン政権は、日本の対米自動車輸出などを軸とした貿易不均衡是正策として為替に狙いを定め、ベンツェン財務長官がドル安・円高へ誘導していきました。1995年4月19日には、79.75円まで円高が加速。東日本大震災後につけた2011年10月31日の75.54円まで、対ドルにおける円の史上最高値として人々の記憶に刻まれたものです。

あれから約20年を経て、「歴史は繰り返す」シナリオに注意したい。

なぜかと申しますと、貿易・通商政策でのバックグラウンドが非常に似通っているからです。

当時のビル・クリントン米大統領は、ブッシュ前米大統領の下で調印された北米自由貿易協定(NAFATA) の批准を成功させました。しかし選挙戦ではNAFTAに「賛成」の立場を表明しつつ、現状の内容では米大統領就任時に「批准できない」とし、実質上は「反対」の立場だったのです。

ここに、カギが隠されているのではないでしょうか?時のクリントン米大統領がNAFTA賛成へ鞍替えした一方で、民主党はもちろん支持基盤である製造業の労働組合が反対するNAFTA発効には、”手土産”を用意する必要があった。日本にとってはたまったものではありませんが、ドル安誘導こそがクリントン米大統領と民主党陣営”妥協の産物”だった――そんな推測に想像の羽根を伸ばしてみたくなるものです。

クリントン政権1期目、日米金利差ではドル高バイアスでした。

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(作成:My Big Apple NY)

振り返れば、クリントン候補は環太平洋パートナーシップ(TPP)に反対していますね。米国における①雇用、②所得、③安全保障――の面で「私の基準を満たさない」と説明しています。またTPP反対に関し、為替操作国への対応が不十分との手厳しい発言も見捨てておけません。

トランプ候補が勝利した場合でも、同候補は中国への関税賦課や為替操作国認定、世界貿易機構(WTO)での中国叩きなど保護主義的政策が強まり為替相場に飛び火すること必至です。

歴史は繰り返すのか。クリントン米大統領誕生で不透明が払しょくされたとしても、日米の通商関係がバラ色に向かうかは疑問の余地が残ります。

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