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【TPP交渉の行方シリーズ60】 TPPに対する不信が増大するばかり - 情報公開が先決 –  16.10.23

<政府与党の相次ぐ失言で停滞する審議>
 10月14日(金)、予算委が終了したことを受けて、すぐさまTPP特委が開催された。そして、翌週17日(月)と18日(火)の午前、TV入りで総括的集中審議が行われた。私も初日にお昼休みを挟んで40分間質問した。
 その後は、福井照前理事に引き続き、山本農相の強行採決発言もあり、例によって審議がほとんどなされず、地方公聴会の与党のみの決議も行われた。21日(金)には、森山与党筆頭理事と野党筆頭理事の私が、佐藤勉議運委員長の部屋に呼び出され、26日(水)の大島衆議院議長の地方公聴会は延期との指示を受け、やっと動き出すことになった。私はこの間、この理事会や国対の対応に忙殺され、TPPの内容にかかわることにはほとんどタッチできずじまいだった。

 遅ればせながら、17日の質問の概要をテーマごとに報告する。

<徐々に減る賛成者>
 10月12日NHKの世論調査が発表された。この機会に、私は過去の世論調査の一覧表を作成してみた。調べてみるとよくわかる事だが、TPP賛成者(今回の世論調査では承認)は、徐々に徐々に減っている。一番最初のTPPに参加の時には「平成の開国」「第三の開国」とか美辞麗句に惑わされ、47%も賛成だった。また、13年の3月、安倍内閣になりTPP交渉に参加するという時になってちょっと戻った(36%)が、14年のオバマ訪日時は31%に下がった。また、2015年の大筋合意の時には、少々異なる調査項目であるがそれなりに評価が増えた。しかし、通常国会で審議が始まった16年4月には条約承認賛成は24%で、10月現在は19%に減っている。11年1月比で28ポイント、13年3月比で17ポイントの大幅下落である。どうもTPPが当初の政府説明と違うのではないかと感じている人が増えているのである。

<徐々に増える「どちらとも言えない」>
 日本人はやはり賢明であり、正直なのだ。このように支持者がだんだんと減ってきているのに対して終始一貫して、増えてきているのが「どちらかわからない」である。最初11年は37%であった。ところが、この直近の調査では52%と15ポイントも増えている。他の政策課題、憲法改正33%、原発再稼働34%に比べて、20ポイント弱ずつ高い。これは政府がTPPを秘密交渉にし、尚且つ内容を明らかにしないために徐々に不信が拡大してきているということではないだろうか。
 15年の大筋合意の時でも「国民生活がよくなる」は14%にすぎず、「国民生活は豊かにならない」が17%、「どちらともいえない」が61%と、ほとんど期待されていない。いくら安倍首相がTPPを成長戦略の3本の矢の中心に据えて、将来はバラ色だと言っても信用しないのである。「原子力、明るい未来のエネルギー」という標語が全くのニセ物だったのと同じように「TPP、明るい未来の経済成長のもと」とはならないのである。

<政府与党の好きな白黒で国民は目を白黒>
 従って、この国会で急いで採決するなどもっての外だと政府を追及した。
 これと同時に私はいつもと同じように最初に嫌味な冗談を言った。
「パネルには、黒塗り・情報開示せず、それに対して白紙領収書、私は安倍総理と同様日の丸が大好きなので赤と白の組み合わせが好きで、日本人もだいたいそうではないかと思う(クリスマスケーキが赤と白は日本だけ)。ところが、政府・自民党はなぜだか黒と白の組み合わせが好きなようで、真っ黒な黒塗り資料、そして領収書は真っ白といずれも世の中の常識とは外れている。こんな変なことをするから、国民は目を白黒させてびっくりしている」
  情報を隠してばかりいるから、NHKの世論調査にみられるとおり、不信感が増えるのである。逆にちゃんと情報公開すれば、国民も納得してくれるようになると思われるが、政府は相変わらず「由らしむべし知らしむべからず」の江戸時代と同じ態度である。これでは物事は進まない。

<第26章は透明性と腐敗行為の防止>
  自民党は素早い。領収書はきちんと書き入れるべきだという改善措置を講じた。自民党のほうが透明性を重視している。それに対して政府はさっぱり改善措置を講じていない。これではTPPに参加する資格などない。なぜかというとTPPは三十章あり「透明性及び腐敗行為防止」が26章目に規定されている。企業にはやたら透明性を要求しておきながら、政府はさっぱり透明性を確保しないというのでは不均衡極まりない。おまけに腐敗防止というのは意味深長である。前TPP担当大臣は、TPP関係ではないが大臣室で50万円をポケットに入れ、大臣を辞任している。その意味でも象徴的な第26章である。
 そうなると政府よりもむしろ自民党の方がTPPに入る資格があるのではないか。私は安倍総理の鶴の一声で黒塗りの資料を普通の資料に改めるべきではないかと問質したが、安倍総理の長答弁は相変わらずで、私の質問には全く答えていなかった。

<情報公開せねば始まらず>
 我々は、甘利前TPP大臣の参考人質疑を強く要求している。甘利・フロマン会談で大半のことは決ったというのに、交渉経緯は公表できないと言い訳しその資料は提出しない。安倍首相は勝手である。立法府も一緒になって早くアメリカにTPP承認のプレッシャーをかけるべきという。しかしながら、肝心のデータは提供しない。level playing field(公平な条件で競争)と言われるけれども、政府と国会がデータの面で同じ土俵に立たずに、政府が承認だけを国会に求めるというのは、もっての外である。何事につけても勝手でありこれは許すことができないと思っている。
 情報を開示して丁寧に説明すればいいものを、ひたすら隠すばかりなので国民の不信は益々拡大する。NHKの世論調査の暦年比較はこのことを如実に示している。国会審議の促進のためにも、情報公開が不可欠である。

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