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グーグルの新スマホ「Pixel」はアンドロイド版iPhone?

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By JOANNA STERN

 米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を利用している読者は、次回機種変更をする際にどの端末を選ぶべきか悩む必要がなくなった。グーグルの新型スマートフォン「ピクセル(Pixel)」は、そう言い切れるほどの製品だ。対抗馬とされていた某スマートフォンが発火問題に揺れる中で、現状ではこの上をいくアンドロイド端末は存在しない。

 ではアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を使っている読者はどうだろうか?ピクセルへの乗り換えを考慮する前に、まずは自問してほしい:あなたはソフトウエアやサービスやプライバシー設定が気に入っているからiPhoneを利用し続けているのか。それともグーグルマップやスポティファイ、フェイスブック・メッセンジャーなどを使うのに便利だから、iPhoneを使うのか。後者である場合は、ピクセルに機種変更するのもありだ。

 外見のデザインがiPhone7と似ているピクセルは、iPhoneと同じように2つのサイズで展開され、5インチ版が650ドル、5.5インチ版のピクセルXLが770ドルと同じ価格で販売される。そしてアップルと同じように、この製品はグーグルが初めてソフトウエアとハードウエアの両方を手掛けたスマートフォンでもある。言ってみれば、ピクセルはアンドロイド版のiPhoneだ(違いと言えばピクセルにはヘッドホンジャックがあり、プライバシー設定について多少疑問を感じる程度かもしれない)。

ピクセルXL(左)とiPhone7プラス
ピクセルXL(左)とiPhone7プラス
Photo: F. Martin Ramin/The Wall Street Journal


 グーグルがiPhoneに対してここまで挑戦的な製品を発表した背景には、皮肉にもスマートフォン戦争が終息したからに過ぎない。現在、スマートフォンは機種本体ではなくソフトウエアやサービスやエコシステムが進化の核となっている。その中で自社製のiPhoneとも言える製品を開発することで、グーグルはすでに同社のソフトウエアを使い込んでいるアップルのユーザーたちに対してもアピールすることが可能になるのだ。

 正直なところ、グーグルに大量の個人情報を預けることへの不安は完全に拭い去ることはできていない。しかし筆者としてはiPhoneを選ぶ根拠がこれまではいくつかあったが、ピクセルはその多くを覆すことに成功していると感じる。そのいくつかを検証してみたい。

根拠1:デザインがいいからiPhoneを選ぶ

 アップルから乗り換えてくるユーザーに違和感を持たせないためなのか、ピクセルは少し洗礼されていないiPhoneのようなデザインをしている。本体の側面やアルミ製の質感は、手で触っているとiPhoneと間違えるほどだ。

 ピクセルのいい点は、iPhone7にはないヘッドホンジャックがあること。ただしそのジャックが本体の上側につけられているのは残念だ。またiPhoneと同じようにバッテリーを交換することはできず、データの容量を増やすには追加料金を払わなければならない。iPhone7やギャラクシーS7のようにプールに落としても使用可能ということもなさそうだ。

 素材の問題なのか、それともアップルの美的センスに反するからなのか、iPhoneには背面指紋センサーが搭載されていない。しかし筆者はピクセルの背面につけられた指紋センサーを使って本体のロックを解除する方法にすぐ慣れた。iPhone でもついつい同じように背面に指を伸ばしてしまったほどだ。

指紋認証センサーが背面についたピクセル
指紋認証センサーが背面についたピクセル
Photo: F. Martin Ramin/The Wall Street Journal


 なおグーグルはよほど自信があるのか、iPhoneなどからピクセルに機種変更をした利用者のために、データの移行をするための小さな装置も付属品に加えている。

根拠その2:カメラがいいからiPhoneを選ぶ

 筆者はさまざまな場面でピクセルのカメラを使ってみたが、そのほとんどの場合でiPhoneのカメラよりも勝っていると感じた。

 その理由のひとつが、アクテイブマトリクス式有機EL(AMOLED)ディスプレーを使ったピクセルのスクリーンだ。これによって写真はiPhoneで撮影されたものよりもきれいに見える。黒はより深い黒色で表示され色も鮮やかな上、ピクセル密度も高いためか写真自体が引き締まる印象だ。

 ピクセルの利用者は無制限で写真や動画を元の画質のままクラウド上に保存でき、本体の容量を気にする必要がない。本体に保存されている写真は自動でも手動で簡単に整理することが可能だ。

 あまり明るくない状況で写真を撮り比べてみても、ピクセルで撮った写真の方がiPhone7やギャラクシーS7のカメラよりもいい仕上がりだった。ピクセルは色の飽和度が高く、ダイナミックレンジが優れていると感じた。強いて言うならばピクセルで夜景を撮影した際は他のスマートフォンと比べてノイズが多かった。

 ただし2つのカメラを搭載したiPhone7プラスには、ピクセルのカメラはかなわなかった。iPhone7プラスは2倍光学ズームが可能な上、2つのレンズを使って写真の背景をぼかして深みを与えることもできる。ピクセルにも同様の機能はあるが、どこか安っぽさを感じられた。

根拠その3:バッテリーの持ちがいいからiPhoneを選ぶ

 筆者が大型のピクセルXLを使ってみたところ1日使用しても電池が切れるような事態にはならなかった。ただし5インチのピクセルの方はそうとはいかず、午後8時には電池の残量が10%になった。iPhone7やiPhone7プラスと比較しても、ピクセルは1時間ほど電池の持ちが悪かったと感じる。

 ただし充電の早さではピクセルに軍配が上がる。製品に含まれているUSB-C充電器を使えば、ピクセルは1時間半で電池切れの状態から満タンまでフル充電が可能だ。これはiPhone7よりも1時間は早い。

根拠その4:ソフトウエアが勝っているからiPhoneを選ぶ

 グーグルが独自のスマートフォンを作りたかった理由は、ピクセル上でソフトウエアを使ってみると手に取るように分かる。ここまで早く、さくさくと動くアンドロイド製品を筆者は使ったことがない。Gメール、グーグルドックス、グーグルマップ、カレンダーなどグーグルのアプリを愛用する人にとっては夢のようだ。iPhoneよりも断然にスムーズにこれらアプリは動く。

 サムスン電子やLG電子や他のブランドは、ソフトウエアのデザインや機能をいじることがある。しかし今回はグーグル独自のスマートフォンであるため、すべてがシンプルに収まった印象だ。1番よく使われるアプリはホームスクリーンに置かれ、他はアプリの引き出しに収納される。上から下に向かってスワイプすればお知らせや設定の変更ページになり、左から右にスワイプすればその日の情報のまとめが現れる。

グーグル・アシスタントの画面
グーグル・アシスタントの画面
Photo: F. Martin Ramin/The Wall Street Journal


 ピクセルは検索履歴や位置情報、カレンダー、そしてメールなどを元に、利用者がどのような情報を必要としているかを予測するという。気象情報や次の会議までの移動時間、そして今晩見るべきテレビ番組などをお勧めしてくれる機能だ。

 ホームボタンを押し続けるか「オーケー、グーグル」と呼びかければグーグル・アシスタントを呼び出すことも可能。これはアップルのシリのようなものだが、シリよりは賢い。グーグル・アシスタントは利用者の質問に次々と答えを返すし、筆者が出す指示に対してシリよりもより的確に、そして早く反応してくれた。

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