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【ギフトレシート】、プレゼントにレシートは合理的だけど米国では既に陳腐化した習慣!

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■アメリカではクリスマスなどプレゼントをするとき、ギフト・レシートを添えて贈る習慣がある。ギフト・レシートとは貰った方が、サイズや色が合わなかったり、品物自体を気に入らないときに購入先で交換もしくは返金できるレシートだ。ブランド品など高額なプレゼントにギフト・レシートを付けている。通常のレシートとは異なり、ギフト・レシートには商品金額の記載はない。またレシートは1枚のみの発行だが、ギフト・レシートは同じ店で複数のプレゼントを購入することもあり、アイテム毎にギフト・レシートを発行する。ギフト・レシートに記載されているのは店名と商品名、購入日、価格情報が入ったバーコードなど。店のスタッフやレジ係りに「ギフト・レシートをください」と頼めばレシートとは別にギフト・レシートをプリントアウトしてくれる。お店に導入されているほとんどのキャッシュ・レジスターにはギフト・レシートを発行する機能がついているため、簡単にプリントアウトできるようになっているのだ。プレゼントを貰った方はギフト・レシートで交換するとき、多くの場合は、そのお店のギフトカードによる返金となる。ギフトカードとは、クレジットカードの大きさで裏面の磁気テープに金額などのデータが保存されているカードでその店でしか使えない。お店にギフト・レシートと商品を持っていくと、その金額分のギフトカードの交換となる。ギフトカードではなく、現金での返金はほとんどない。なぜならば、ギフト・レシートを製作して、不正に現金を得る犯罪の温床にもなりえるからだ。一方、最近ではギフト・レシートが以前ほど使われなくなっている。気に入るかどうかわからない品物にギフト・レシートを添えて贈るより、金額分のギフトカードで贈るのだ。ギフトカードなら金額内で好きな商品を購入できるからだ。またギフトカードの金額に自分のお金を足して、それまで手の届かなかった商品も購入できるメリットもある。調査によると、4人中3人となる72%がギフトカード額面以上の買い物でギフトカードを使っているのだ。

 ギフト・レシートがついたプレゼントよりもギフトカードが贈る方、貰う方にとって使い勝手がよいので、ギフトカードは最も貰って嬉しいプレゼントのトップとなっている(全米小売業協会調査)。そのためギフトカードのマーケットは年々、拡大しているのだ。昨年の年末商戦ではギフトカードは売上全体の18%以上に達している(carcash.com調査)。ギフトカードに慣れたミレニアル世代を中心にeギフトカードで贈る機会も増えている。ギフト・レシートを添えるプレゼントは今後、さらに減少していくだろう。
 
トップ画像:ウォルマートのギフトレシート(メンズ・アンダーウェア)事例。通常のレシート(左)とは異なり、ギフトレシートには価格が表示されず店名や商品名、購入日、価格情報が入ったバーコードなどが記載されている。

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ギフト・レシートによる返品事例(ウォルマート・スーパーセンター)。カスタマーサービスにギフトレシートと商品(メンズ・アンダーウェア)を持っていき返品を告げると、スタッフがギフトレシートと商品のバーコードをスキャンする。返金額が入力されたギフトカードとカードスリップ(16.86ドル)が渡されて完了となるのだ。ギフト・レシートではそのまま商品の交換とはならず、一旦ギフトカードにするのが一般的だ。なおギフトレシートでは不正が横行するため現金による返金は不可としている。

14年12月24日 - 【不正返品】、盗難品の返品からワードロービングまで!それでもリスクはお店側がもつ?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。某テレビ局の番組ディレクターからギフト・レシートについての問い合わせがありました。ギフト・レシートから贈られる側に値段を知られるのはタブーという日本人の考え方と、アメリカの合理主義的な文化を対比したいとのことでした。正直なことをいうと、ギフト・レシート添付プレゼントはちょっと古いのですね。実際、ウォルマートで「ギフト・レシートをください」と頼んだところ、レジ係りは「?」となっていましたから。近くにいたスーパーバイザーを呼び、ギフト・レシートを発行してもらいました。POSレジに「ギフト(gift)」の入力キーがあるので簡単にプリントアウトできるのです。でも、最近はギフトレシートを付けて贈るよりも、最初からギフトカードで贈るのは一般的になっているのです。ギフト・レシートを添えて贈るようなまどろっこしいことはせず、50ドル分、100ドル分のギフトカードを贈るのですね。


⇒「贈られる側に値段を知られるのはタブー」という考え方は、一億総中流社会と言われた時代からの古い価値観だと思います。ネット検索の現在は、すぐに商品の値段が分かるのですから(情報の透明性)、タブー視してわざわざ隠すほうが不自然です。そういった隠し事が豊洲問題につながっている、とはいいませんが...(笑)。みんなが同じ中流だった(もしくはそう思わせていた)時代と違い、終身雇用が崩れ明らかな格差社会となり、価値観も多様化している現在では、プレゼントも人によって考え方は違うものです。1,000円の品を贈った人と5万円の商品を贈った人を、その値段で人を区別するのは、それこそゲスの極み。プレゼントを贈るという気持ちが大切なのですから。ところで後藤は、アメリカのギフトレジストリーが本当にありがたいと思っています。ギフトレジストリーとは結婚や出産、卒業などお祝い事でプレゼントを贈られる側は、あらかじめ欲しい品を決めておき、贈り手はそのなかから自分の懐に応じて贈るシステムです。

15年2月13日 - 【ベストバイ】、ウエディング・レジストリー!これを厚かましいと思う人は旧制中学出?

⇒ゆっくり買い物に行くような時間がない後藤にとって、商品リストから選んで贈るギフトレジストリーは本当にラクです。で、他に贈りたい品があれば一緒に贈ればいいだけのこと。以前、某量販店チェーンの経営者にギフトレジストリーの話をしたら「貰い手が商品をあらかじめ決めるなんて下品だ、いやらしい!」と憤っていましたが、それはモノのない時代に育った価値観です(無論、私は何も言いませんでしたが)。ただこういった考え方は今後、少数派になってきます。アメリカで起こったことは、5年~10年後に日本でも起こります。ギフトレジストリーは貰い手にとっても贈り手にとっても販売側にとっても便利で都合のよい三方よしのシステムですから、いずれ日本でも根付きます。その未来が2020年代、2030年代になるかは、ギフト・レシートを取り上げる番組の作り方でも占えると思いますね。「アメリカは情緒もなく超合理的」なら相当先の話になりますね。

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