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ゴーン氏はなぜ、益子氏を留任させたか

三菱自動車は20日、益子修会長兼社長が社長を続投し、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が三菱自動車会長に就く人事を発表しました。

ゴーンさんは、1999年にフランスのルノーから、当時、経営危機に陥っていた日産に派遣され、業績をV字回復させました。17年にわたって日産のトップを務め、現在、62歳です。

三菱自動車の新たな経営体制は、12月に開かれる臨時株主総会後に決定されますが、三菱自動車の11人の取締役のうち、4人が日産から派遣されることが内定しています。ポイントは、益子さんが留任したことにありますね。

「益子さんは何度も辞めたいとおっしゃったが、私が留任を要望しました。アライアンスを実現するうえで重要なことだからです。三菱自動車のために残ってくださいといいました」と、ゴーンさんは、20日、都内で開かれた記者会見の席上、コメントしました。

益子さんもまた、留任について次のように答えています。
「私は新体制発足後に退任したいといっていたのですが、信頼回復の取り組みに向けて、ゴーンさんから『残ってほしい』といわれました」

断るまでもなく、アライアンスを成功させるのは簡単ではありません。成功をはばむ要因の一つは、コミュニケーション不足による、社員の流出です。

一つ間違えば、三菱自動車社員の人心は離れるでしょう。ゴーンさんが、益子さんに対して「三菱自動車の再建に必要」といって留任を要望した理由は、ここにあります。

つまり、益子さんに期待されているのは、三菱自動車社員のモチベーション低下をふせぐことです。ゴーンさんが「益子さんに全幅の信頼を置いています」といっていることからも、それは想像できます。

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人心をつかむことは、アライアンスの要諦といえるでしょう。

日本電産社長の永守重信さんもまた、アライアンスの要諦を知る経営者です。永守さんは、買収相手のトップを交代させることはありません。買収相手の人心が離れるからです。それは、赤字続きの会社をわずか1年で過去最高益を生み出す会社に変える秘訣だといいます。

では、今後、益子さんはどのような役割が求められているのか。日産再建時の志賀俊之さんのような役割ではないでしょうか。

ゴーンさんが日産再建に取り組んだとき、志賀さんはアライアンス推進室長として、現場とのパイプ役を果たしました。

ゴーンさんの意思を現場にわかりやすく伝え、また、現場社員の心が日産から離れないよう、ゴーン流改革が日本の風土になじむように上手に間をつなぎました。

その功績は大きく、ゴーン改革の最大の成功要因は、「志賀さんを見つけたこと」だといわれているほどです。

三菱自動車の再建にあたって、痛みを伴う改革を、求心力を保ちながら進めるのは至難の業です。益子さんの役割は大きいと思いますね。

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