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最低賃金引き上げを急げ

10月から最低賃金が引き上げになり、全国平均は823円、最も高い東京で932円となります。この最低賃金、毎年見直されており、2007年には全国平均は687円であったことを考えると当時からちょうど20%上昇しています。しかしながら、年あたりの上昇率は残念ながら2%に満たない状況です。

先進国では世界最低水準と言われる最低賃金の引き上げは当面の目標が時給1000円でありますが、今のペースで上げると2020年に東京都などが1000円をようやくクリアする感じでしょうか?(世界最低かどうかは為替水準で天地の差が出ますので正しい表現ではないかもしれません。)

賃金については全国平均をものさしにすることが個人的には疑問だと思っています。経済規模が大きい東京など大都市圏は大幅な引き上げを断行するとともに地方の最低賃金との格差ができることで地方活性化のチャンスを拡大する方が理にかなっていると思います。(統計的表現としては中央値を使うべきだと思います。)

企業は利潤を上げてなんぼ、です。かつて東京の不動産が高くなったころ、地方移転を進めたことがあります。同じように東京の最低賃金が高すぎて企業収益を圧迫するようならば地方移転すればよいという論理になります。もちろん、ビジネスは東京に集まっているではないか、とおっしゃるかもしれませんが、道路事情も改善し、郊外に出やすい環境は整ってきた気がします。

これは調査が必要ですが、地方に住む人にとっては今やネットで全国どこでも同じものが買えますし、地方にユニークでよい教育をする学校はあります。つまり、都市部の最低時給の大幅引き上げで企業分散を図るという荒治療もアイディアの一つではないでしょうか?

先日、上野千鶴子東京大学名誉教授と話をしていた際、シェアハウスの話になり、私が東京で経営する女性専用のそれは「高級」シェアハウスで今の派遣の女性には払えない、と断じておられました。(派遣にもいろいろありますのでそれは一括りにできないと私も断言できますが。)確かに教授のおっしゃるとおり、2-3万円プラス共益費で入居できるところもあります。が、はっきり申し上げると「安かれ、悪かれ」であります。古い家を無理やり改築して部屋を作っているところも多く、以前他のシェアハウスにお住まいの方が私のところに内覧に来た際、「あぁ、窓がある、バスタブもある」と感動していました。

昔の4畳半風呂なし、共同トイレ、窓からすきま風の時代ではないのです。しかし、確かに教授のおっしゃるように派遣の手取りが15,16万円程度であれば最も大きな出費となる住居費として出す額はなるべく少なくしたい、そのためにはちょっと我慢しても致し方ない、ということになります。

ではそれが世界三番目の経済大国の都市部のライフスタイルなのでしょうか?それではかつての「ジャパゆきさん」と同じではないでしょうか?不動産が高いバンクーバーで日本のワーキングホリディの若者は非常に苦労して住むところを見つけます。いわゆるルームシェアは当たり前ですが、ワンベッドルームに3人は当たり前で隣人との仕切りは古びたカーテンという生活は日本で普通の暮らしをする皆様には想像できないレベルだと思います。

先進国では賃金レベルが低いとされたアメリカやカナダでは急速にその最低賃金が上昇しています。最低賃金が上昇すると賃金が最低近くだった人の賃金も引き上げられることも多く経営側には負担増、ないし、人を減らさなくてはやっていけないと声も上がりました。しかし当地の多くの経営者は販売価格を引き上げたケースがほとんどでしょう。特にサービス業では定価がよくわからない業種もあるため、そのあたりのフレキシビリティがあるのだろうと思います。

日本が2%の物価高を求めるなら人件費はそれ以上のペースで伸ばさないとついていけません。春闘にしろ最低賃金にしろ上昇率が2%に達しないレベルでは2%物価高は到底達成しえないわけで3-4%ぐらいを目標設定しておかないとだめでしょう。

上野先生と意見があったのは「要は金ですよ、カネ」。若い人にカネが回らない、だから精神的にも物理的にも満たされず落ちこぼれになっていく状況は救わなくてはいけません。我々は往々にして企業レベルとか政府レベルという大きな枠組みを捉えがちですが、枠に収まらない人たちがまだまだ多くいるのが今の日本の実態とも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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