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日銀「さくらリポート」に見る地方経済やいかに?

本日、日銀支店長会議で「さくらリポート」が明らかにされています。全国をいくつかのブロックに分割して地域ごとの景気を示しています。何といいましょうか、米国連邦準備制度理事会のベージュ・ブックのモロのまねっこなんですが、それなりに重宝していたりもします。まず、日経新聞のサイトから記事の最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

中国と九州・沖縄、景気判断引き上げ 東海は下方修正 日銀地域経済報告
日銀は17日発表の10月の地域経済報告(さくらリポート)で、全9地域のうち中国と九州・沖縄の2地域の景気判断を引き上げた。一方、東海地域は引き下げた。東海の下方修正は2013年1月以来。
中国と九州・沖縄は前回7月に引き下げたばかり。中国は三菱自動車の軽自動車の生産が再開し、7月時点で生産を下押ししていた要因が減った。九州・沖縄は熊本地震の影響が薄れた。
輸出産業の比重が高い東海は個人消費の一部に弱めの動きがあるとして景気判断を引き下げた。台風上陸などの天候不順も響き、百貨店の売り上げを下押しした。円高・ドル安の進行で所得の先行きに不透明感が強まった可能性もある。
項目別では、設備投資で北海道と九州・沖縄を除く7地域が「増加」との表現を使った。個人消費は東海など5地域が「一部に弱めの動きが見られる」などと報告。2地域が「回復」「持ち直し」とした。住宅投資は2地域が「増加」、6地域が「持ち直し」と報告した。調査統計局によると「住宅ローン金利が低下し、個人の住宅購入のほか相続税対策などの貸家が増えている」という。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。上の引用部分以下では、地域別の景気判断の推移を取りまとめているんですが、それをテーブルにしたのが下の通りです。中国と九州・沖縄が上方修正、東海が下方修正です。

 2016年7月判断前回との比較2016年10月判断
北海道緩やかに回復している緩やかに回復している
東北生産面に新興国経済の減速に伴う影響などがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている生産面に新興国経済の減速に伴う影響などがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている
北陸一部に鈍さがみられるものの、回復を続けている一部に鈍さがみられるものの、回復を続けている
関東甲信越輸出・生産面に新興国経済の減速に伴う影響などがみられるものの、緩やかな回復を続けている輸出・生産面に新興国経済の減速に伴う影響などがみられるものの、緩やかな回復を続けている
東海自動車関連での工場事故や熊本地震の影響から輸出・生産面で振れがみられるものの、基調としては緩やかに拡大している幾分ペースを鈍化させつつも緩やかに拡大している
近畿輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかに回復している緩やかに回復している
中国一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな回復基調を続けている緩やかに回復している
四国緩やかな回復を続けている緩やかな回復を続けている
九州・沖縄熊本地震の影響により急速に下押しされた後、観光面などで弱い動きが続いているものの、供給面の制約は和らいできており、緩やかに持ち直している熊本地震の影響が和らぐもとで、緩やかに回復している

ということで、GDPの需要項目別に考えると、個人消費は、5地域(東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿)が「一部に弱めの動きがみられる」等としつつも、全体としては、2地域(北海道、九州・沖縄)が「回復」という表現を、2地域(北陸、四国)が「持ち直し」という表現を、5地域(東北、関東甲信越、東海、近畿、中国)が「底堅く推移している」という表現を、それぞれ用いていますし、設備投資は、7地域(東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国)が「増加」という表現を用いているほか、北海道では「高水準で推移している」としていて、一方、九州・沖縄では、「高めの水準ながら減少している」としています。消費も設備投資も全国レベルではやや停滞気味ながら、地域別に見るとこうなるんだろうと思います。

また、個別トピックの分析は、今回のリポートではインバウンド観光関連需要の動向に焦点を当てています。中国での関税率引き上げを受けた転売目的の代理購入業者の減少や人民元安などから、いわゆる「爆買い」は終息に向かっている、と分析しつつ、他方で、近年実施された東南アジア諸国に対するビザ発給要件の緩和からインドネシアやタイからの旅行者が増加傾向にあり、客層が広がっている旨の報告がなされています。同時に、訪問先は都市部から地方へ、また、モノ消費の中心が高額品から比較的安価な日用品へ、あるいは、モノ消費から体験型や交流型観光のコト消費へ、といった流れもリポートされています。

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