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過当競争と労働市場の欠如

日本経済の最大の問題点だと考えているのが、過当競争である。過当競争は、企業がなかなか淘汰されないことによるところが大きい。政府としても淘汰を容認しない。背景には労働市場の欠如がある。

日本国内の企業が生み出す付加価値、すなわち人件費と企業利益の源泉を生み出す力は衰えている。日本企業は古い設備を使用して費用を抑え、片方で人件費をできるかぎり削減してやっと、世界企業に大きく引き離されない程度の利益を得ている。

だから、いくら政府が「賃上げを」「賃上げして2%程度のインフレを」と音頭をとったところで、企業は動かない。そんな賃上げの余裕なんてないというのが本音だろう。賃上げすると減益になる。とすれば、政府の肩入れもむなしく、株価が下がってしまう。

日本企業が大きな付加価値を生み出せない原因の1つは過当競争にある。過当競争になるのは、企業に独創性がないから、つまり物真似しかしていないからなのだが、もう1つは企業が潰れないからである。政府として企業を潰せないと言ってもいい。シャープにして東芝にしても、少し前では日航にしても、客観的には潰れても当然だと思えるのに、結局は生き残る。政府としても、大企業の経営が傾いたのなら、まずは生き残りを模索する。

この背景にあるのは、企業が潰れたのなら失業者が発生するからである。それを政府が嫌うからである。

本当のところ、再雇用のための労働市場が確立していたのなら、従業員は比較的短時間で他の企業に再雇用されるだろう。逆に、労働市場が確立しているから、労働力の移動が活発になり、従業員は他の企業に再就職したとしても簡単に適応できる技能を身につけられる。社畜にならないとも表現できる。

競争相手の企業としても、大きく傾いた企業や、その企業の特定部門の買収が容易になる。この買収によって競争相手が少なくなれば、国内で無駄な競争をせずにすむ。過当競争がなくなったのなら、消費者は高い製品やサービスを買わされるのではと心配になるだろうが、企業に力が付けば、賃金の上昇が期待できる。損得は拮抗しうる。

まとめとして、過当競争は人材や資金といった資源の浪費である。日本国内での過当競争が終わるには、労働市場が整備され、労働力の流動性が高まらないといけない。

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