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ディラン受賞、ロシア文壇の反応

アレクサンドラ・グーゼワ, ロシアNOW

ノーベル文学賞受賞者が発表された10月13日、ロシアの文学評論家や作家らの間ではこのニュースをめぐって熱い議論が繰り広げられた。

 ボブ・ディランさんのノーベル文学賞受賞はロシア文学界にも大きな論争を巻き起こした。ボブ・ディランさんは、「偉大なる米国の歌謡の伝統の上に立って、新しい詩的な表現を創造してきた」として、2016年のノーベル文学賞を授与された。賛否両論ある意見の中から、ロシアの代表的な評論家や作家らの興味深い見解を紹介しよう。

アレクサンドル・プロハノフ(作家)

 わたしは村上春樹の方が受賞者として相応しかったように思う。彼の作品には真に深い文学、哲学、表現力、そして新たな美学があるからだ。しかしこのところ文化界がどんどん俗悪化しているようだ。(露語元記事

ナタリヤ・コチェトコワ−モロゾワ (文学評論家)

 一体どういうわけでボブ・ディランが受賞するのか。確かに彼の歌詞は素晴らしいかもしれない。しかしノーベル賞というものは、もっと立派で、極めて文学的な人物に与えられるべきだろう。しかし決定は下されてしまった。社会的話題となり、マスコミも大きく取り上げるだろうが、文学にとっての利益は大したものではない。(露語元記事

アルテミー・トロイツキー (音楽評論家)

 音楽界全体が歓喜に湧いていることだろう。というのも、ジョン・レノンやジム・モリソン、ボブ・マーリーなど、残念ながらすでに亡くなってしまった多くのロック界の詩人たちが当時ノーベル文学賞を受賞できなかったからだ。彼らは本当に素晴らしい歌詞を書いた。ただそれはノーベル賞を受賞するような形式のものではないとされた。ディランはその障壁を初めて乗り越えたと言えるだろう。

 今回のような選考がディランで最後とならないよう願っている。なぜなら、レナード・コーエン、ニール・ヤング、そしてロシア国内でもボリス・グレベンシコフ、アンドレイ・マカレーヴィチ、ユーリー・シェフチュークなど、素晴らしい詩を書くミュージシャンたちがまだ元気に活躍しているのだから。(露語元記事

ヴィクトル・エロフェーエフ (作家)

 ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞は運命の皮肉だ。素晴らしい歌詞とメロディで、プロテストソング(抵抗の歌)の旗手となったミュージシャンが、世界でもっとも「高額な」賞を授与されるというのは、ノヴォデーヴィチ墓地に眠れと言われるのと同じである。たとえばサルトルはノーベル賞を辞退したが、恐らくディランは辞退したりはしないだろう。

ノーベル賞委員会は今回の決定によって、アメリカにはトランプとクリントンだけでなく、意義ある芸術、そして素晴らしい詩人も存在するということを示してみせた。

 これは世界に対して異なるアメリカを見せたということであり、よいきっかけではないか。いずれにしても、委員会がようやく、政治的な意味を持つ操り人形ではなく、本当に才能のある人物を選出したということについて、わたしは心から嬉しく思う。(露語元記事

ミハイル・ヴィゼリ (文学評論家)

 ボブ・ディランがユダヤ系の人物で、オデッサにルーツがあることを今多くの人々が思い出しているだろう。ロシア帝国出身の子孫で、小さな店を経営する商人の息子である彼こそが、プロテスタントのアメリカ建国の父から生まれた「ロックンロール」という新しい音楽のエネルギーと怒れる国家体制とを融合させたのである。しかも本物のポエジーとともに。(露語元記事

ドミトリー・ブィコフ (作家)

 わたしは彼を単にミュージシャンと呼ぶことはできない。ボブ・ディランはジム・モリソンやレナード・コーエンと同様に、音楽の歌詞というものを大きく発展させた一人だ。彼は優れた詩人であり、またノーベル賞の持つヒューマニズムの理念に忠実な人物でもある。1965年頃から彼の詩は世界中で広く知られるようになり、人々は自らの発言の中で彼の言葉を引用するようになった。受賞して然るべきだ。(露語元記事

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