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【サムスン、スピード経営の代償】

サムスンのスマホGalaxy Note7が発火問題を受けて改良したあとも不具合が続いたことで、生産と販売の中止に追い込まれましたね。

FTには、■アメリカの航空当局が「飛行機に乗る時にはNote7 は必ず電源を落とすように」と警告していることのブランド棄損に対する心配がきっかけであること、■そもそもリコールした段階でもっとじっくり原因を追求せず、アップルのiPhone7に負けじと中途半端な解決策を打ち出したことが問題だったと指摘してきます。

焦点は、今月27日の臨時株主総会を経て日本で言う取締役(登記理事)になるイ・ゴニ会長の長男のJY副会長(48歳)の手腕

昨夜から、タイ国王の死去Bob Dylanのノーベル文学賞受賞のニュース一色ですが・・FT のSamsung was too speedy for its own good(サムスンは生き急いだ)はざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。

サムスンの製品はオリジナリティを欠くが、それをスピードで補ってきた。Galaxy Note7については、スピードが速すぎた。

サムスンのスマホがバッテリーの過熱により発火しやすく、販売中止するという一連の流れも、あまりに物事が早く進み、気づきもしない人がいたかもしれない。このスピードは典型的なサムスンの手法だ。

1993年にLee Kun-hee=李健煕(イ・ゴニ、あるいはイ・ゴンヒ)サムスングループ会長「新経営」戦略を打ち出して以降、急速に業界リーダーに追い付いてきた。サムスン電子は、アップルのイノベーションの足元にも及ばないが、数字では近い位置にいる。

どんなリコールも痛みを伴うが、今回のスマホのリコールは大失態としか言いようがない。サムスンの米国法人のTim Baxter社長が「はっきり言うが、Note7の新しいバッテリーは安全だ。バッテリー問題は解決した」とビデオメッセージで高らかに宣言したのが先月。

その直後に離陸前の米サウスウェスト航空の旅客機で、乗客のスマホから煙が出て、乗客乗員あわせて75人が緊急避難する事態に。

本当の原因を解明することなく、バッテリー交換に踏み切ったことで、サムスンのイメージは失墜し、リコールに23億ドル(約2300億円)要することになる。

サムスンの過去10 年の快進撃は特筆するものがある。アップルがiPhoneで世界をリードする一方で、NokiaやBlackberryが市場から事実上退場する中、どの会社よりも多くのスマホを販売してきた。それも各社が手掛けるAndroidのソフトを使って、利益も確保して。

それができるのは、20年前にイ・ゴニ会長がサムスンを転換したからだ。そして、長男で48歳のLee Jae-yong=李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が今、組織を率いている

イ・ゴニ会長の手法は軍隊式の規律であり、ライバルに対する素早い対応によって他社よりもスピード感を持ってアップルのiPhoneの販売サイクルに追い付き、効果的に競争することができた。

多くの場合、サムスンは素早いフォロワーだった。アップル製品のもっとも魅力的なところをアンドロイドで再現して、ファインチューニングしてきた。

とは言え、サムスンの技術を過小評価するべきではない。台湾のHTCなどは同様の試みをしてきたが、成功していない。

1993年にイ・ゴニ会長が語ったように「ナンバーワンが最下位に。最下位がナンバーワンになる時代がやってくる」ので。サムスンは、研究開発、デザイン、それにマーケティングにもっとも力を入れてきた。

しかし、世界シェアの23%を維持し、トップで居続けることはますます難しくなっている。高級路線では、アップルのほか、最近Pixelといスマホを独自に出したグーグルと戦わないといけない。格安路線では、サムスンを研究しつくした中国の新興企業と戦わないといけない。

Note7の例に見られるように、サムスンはあまり動く余地がないのだ。サムスンはこれまでも、最新のiPhoneが出る直前にいろんな機能を新製品に押し込んで発表してきた。今回は、それが裏目に出た。専門家は「Note7の問題は、野心を持ちすぎたことだ」という。

問題に直面した際に、本来であれば問題を解明する時間を十分に取るべきだった。しかし、計画を頓挫させることを避けたかったのだろう。さっとした解決策を見つけ、得意のスピード感と効率性でそれを実行に移したのだが、問題がそもそも違っていたことに後から気付いたのだ。

企業の生死を分けるような重要な問題が前回あった時、イ・ゴニ会長はフランクフルトに幹部を招集し、3日間、どう生まれ変わるのか缶詰にして説教した。

ここで「妻とこども以外はすべて変えろ」と指示したのだ。これは、重要文書のように会社では受け継がれている。今こそ、長男のイ・ジェヨン氏が新たな会議を招集するべき時だろう。

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