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銀行の未来は暗い~日米欧とも

アメリカでは顧客の了解なしに200万件の口座新約を行っていたウエルスファーゴの会長兼CEOのジョン・スタンフが急きょ辞任を発表した。

罰金問題で米国の司法省と合意に達することができなかったドイツ銀行の株価が急落し、「ドイツ銀ショック」がささやかれている。

日本では昨日三井住友銀行の元副支店長が1.9億円の詐欺容疑で逮捕された。なお警察は11億円の余罪があるとみて裏付け捜査を進めている。

これらのエピソードの間に直接の関係はないが、共通しているのはモラルMoral(道徳・善悪の判断)の低下である。またモラルの低下の背景にはモラールMorale(士気・やる気)の低下があるのかもしれない。これは私見だが。

WSJはFuture of Banking looks darkという記事を載せていた。

なぜ銀行の未来は暗いのか?

一見すればリーマンショックから立ち直った世界の大手銀行は不良資産への引き当ても積み増し健全化したとみえる。自己資本も増強された。しかし一方で収益性は確実に低下している。

WSJは元財務長官のラリーサマーズ氏等による最近の研究の概要を紹介していた。

それは金融危機前と危機後の銀行の資産額と株式時価総額を比較したものだ。

それによると危機前の時価倍率はウエルス・ファーゴが2.77倍、シティコープが2.31倍、バンクオブアメリカが2.15倍で、邦銀の平均は1.77倍、ドイツの銀行は1.14倍になっている。

それが金融危機後はウエルス・ファーゴ1.44倍、シティコープ0.7倍、バンクオブアメリア0.63倍、邦銀0.72倍、ドイツの銀行0.48倍と半減している。

この資産倍率の低下は、株式市場が銀行株の時価は将来半減すると予想していることを示唆している。なぜ銀行の株価が低下するか?というとそれは低収益構造のゆえである。国際金融協会によると2010年以降、日欧米の平均では資本コスト以下の収益しかあげていないのである。

規制強化はあきらかにその要因の一つだ。自己資本規制の強化で銀行は以前のようにレバレッジを効かせることが難しくなった。株主資本の増加は資本コストの増加を意味する。

世界経済の低成長化や中央銀行の超緩和政策とくに日欧のマイナス金利政策も銀行の収益を低下させる構造的要因だ。

クレジットカードなど多くの金融商品の販売で収益増強をもくろんできたウエルス・ファーゴは従業員に過大な販売目標を課し、それが架空取引のねつ造につながった。

諸国における不正取引は、監督官庁による銀行の内部統制管理強化指導につながり、さらに銀行のコストアップ要因となり、収益性を低下させる。

フィンテクなどITによる攻勢も伝統的金融界には頭の痛い課題だ。

これから先の金融危機はリーマンショック型ではなく、銀行収益の持続的低下という慢性病型になるのだろう。

 

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