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死刑相当だと誤りなく判断することができるのか 人の能力の限界を知るべき

 日弁連が死刑廃止を宣言し、これまでの死刑に関する姿勢から大きな一歩を踏み出しました。
 死刑廃止は世界の潮流であり、日本においても実現できないはずがありません。

 死刑か無期懲役の違いはあまりに大きすぎます。仮にこれが終身刑であったとしても同様です。
 有罪・無罪の認定の間違いは論外です。今の日本の刑事司法制度は、これすらも危うい状況ですが、量刑の問題も大きな問題があります。その量刑が適正なのかどうかです。
 この判断を誤らずにできるのかが問われています。

 つい先日、この量刑問題を考える上で重要な判決が出ました。
 小学5年生の女の子を強姦し殺害したという極めて残虐な事件について、検察官は死刑を求刑していましたが、福岡地裁小倉支部の裁判員裁判では無期懲役の判決となりました。

小5女児殺害、被告に無期懲役の判決 福岡地裁小倉支部」(朝日新聞2016年10月3日)
「問われた罪は、女児に対する殺人、死体遺棄、強姦致死、わいせつ目的誘拐の四つ。判決はすべての罪が成立すると認めた。一方で殺害に計画性がなく、過去の同種の事件で無期懲役となった事例が多数あり、それらと比べても残虐性や猟奇性は高くないと判断。遺族の被害感情や社会的影響を考慮しても、死刑は相当ではないと結論づけた。」

 被害者が1名であり、従来の死刑適用に関する永山基準からいえば死刑判決はあり得ない選択です。

福岡・豊前の小5女児殺害 無期懲役判決 遺族「死刑しかない」 被告に険しい視線」」(毎日新聞2016年10月4日)
「極刑を求めた女児の父親は退廷する内間被告に険しい視線を向けたまま微動だにせず、閉廷後には「死刑判決ではなかったことは納得できない。このような事件にこそ死刑判決を下し、厳しい姿勢にのぞむことが同じような事件を起こさないための大きな歯止めになる」とするコメントを出した。」

 これまで裁判員裁判では、この永山基準を無視する姿勢が鮮明だったのですが、最高裁がくさびを打ち込んでこの死刑適用基準については落ち着きました。
最高裁 裁判員裁判の死刑判決を認めず!

 裁判員裁判という感覚だけで参加する人たちが死刑と言ったら死刑とかいうのは明らかな不正義です。裁判員などくじ引きで決まるだけの人たちですから、それで死刑か無期の判断が異なることを認めるのか否かということです。
 法曹関係者であれば否定するのが当然です。
 ところが犯罪被害者を支援する弁護士たちは、このような常識が通用しません。
 山田廣弁護士(札幌弁護士会所属)が2014年4月21日発行の犯罪被害者支援委員会ニュース第6号に掲載した論考の抜粋です。

山田廣

 前掲最高裁判決が出る前のものですが、山田廣氏は裁判員裁判の下した死刑判決に従えと主張しているのです。
 これについては死刑判決を否定する最高裁の判決が出る前から、最高裁は、『裁判員裁判における第一審の判決書及び控訴審の在り方』(平成21年4月)の中で死刑か無期かについては別の考察が必要と指摘していたところです。山田氏はこれすらも読んだことはないのではないでしょうか。

 しかし、原則死刑ならともかく、個々の事案においてこれが死刑でこれが無期という区別は本来的に不可能というべきでしょう。
 ならば8人殺害したらどうかという極論にもつながっていくことにはなりますが、そのような事案は多くはなく、通常は限界事例ばかりです。そのような中で誤りなく判断できる保障など全くなく、量刑における誤判は避けることはできません。
 第一審判決で死刑判決となり、被告人が控訴しない場合、それで確定してしまいますが、これ自体も非常に問題なのです。当然上訴という最高裁の判断を経る仕組みにはなっていませんから、量刑誤判は起きます。
死刑判決が一審で確定することに問題はないか

 最高裁ですら光市事件では大きく揺れ動き、大衆迎合的となり、事実上の死刑判決を下しました。
 その時々によって大きく揺れるのです。これでは法治国家とは言えません。
 死刑は廃止するよりないのです。

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