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ダイエットに効果的なのは、有酸素運動か筋トレか? - 佐藤達夫

 前回までに書いてきたように、ダイエットの基本は「エネルギーの出納」いいかえれば「カロリーの出入り」だ。「入り」つまり飲食のほうは(ごく簡単にではあったが)前回前々回でご紹介した。今回は「出=消費カロリー=運動」について書いてみたい。

「高収入・ぜいたく」と「低収入・節約」のどちらがいい?

 「カロリーの出し入れ」なので、家庭の家計簿(ビジネスパーソンであれば会社の経理)を想像してもらえばいい。収入と支出がトントンであれば貯金は増えもしないし減りもしない。この「増減ナシ」に2つのケースが考えられる。「収入がたくさんあるけど支出もたくさんある」場合と「収入は少ないが支出も少ない」場合の2つだ。いずれの場合でも収支が等しくありさえすれば貯金の増減はない。みなさんはどちらがいいだろうか?

 一般的には前者が好ましい。収入増が芳しくないからといって支出の削減ばかりを口やかましくいう経営者の元では、その会社の将来は危うい。支出は少しくらい増えてもそのぶん収入も増やすべく積極的に活動しよう、という経営方針の会社のほうが伸びる可能性が高いし働きがいもあるだろう。個人的にもたくさん収入を得て、できれば贅沢したい・・・・。

 話をダイエットに戻すと、体重を減らしたいのであれば「収支」をマイナスにすればいいだけの話なので、たとえ、たくさん飲み食いしてもそれ以上に運動をすればいい。ただし、きわめて肝心なことが1つ。「量」の問題と「栄養バランス」の問題は別なので、たくさん食べるときに同じ物ばかりを食べて栄養バランスを崩してはならない。

 そう、たくさん食べることが習慣になっていたとしても、たくさん運動する習慣も身についていれば、太りはしないのだ。「たくさん食べる習慣」がすぐに身につくことは、よくご存じのはず。しかし、悲しいことに「たくさん運動をする」という習慣はなかなか身につかない。いっとき運動習慣が身についても、「仕事が忙しいから」「天気が悪いから」「体調が思わしくないから」「合コンだから」「カラスが鳴いたから」等々、運動を中断する理由にはコト欠かない。

 かくして、「カロリー収支」をコントロールするために、理論的に導き出した「たくさん食べてたくさん運動する」という生活習慣は、いとも簡単に「たくさん食べて、ほとんど運動しない」というきわめて太りやすい生活習慣に取って代わることになる。

 かといって「運動をしない代わりに、食べる物を減らす」という、ヒトの本能に抗う生活習慣はまったく楽しくない(ので、長続きしない)。やはり「適度に運動をして、適度に飲食する」という、言い古された基本に戻らざるを得ないのだ。

 ということで「適度な運動」とはどういうものなのかをご紹介する。

有酸素運動を細切れでもなるべく長く続ける

 消費カロリーは基礎代謝【※1】によるカロリー量と運動によるカロリー量に大別できる。実際には、基礎代謝で消費するカロリーのほうが運動で消費するカロリーよりも大きいことが多い。そこで「基礎代謝を増やそう」というダイエット法が喧伝される。たしかにそうなのだが、基礎代謝というのは量的には大きいのだが「変える」ことが非常に困難なのだ。そのため、このダイエット法に挑戦する人はだいたい挫折する。

 ここでは主として運動カロリーについて解説する。運動は有酸素運動と無酸素運動に大別できる。有酸素運動というのは、楽に呼吸をしながら(隣の人と会話をしながら、ともいえる)続けることができる運動。ジョギング、サイクリング、スイミング、ウォーキングなどが代表的。無酸素運動というのは、短距離走、筋力トレーニングなど(一時的に)呼吸をせずに行なう運動のこと(もちろん、息を止めてしまっては死んでしまうので、運動の前後や途中で呼吸はする)。

 結果的に、長時間続けられるのが有酸素運動で、短時間しかできないのが無酸素運動ということになる。トータルのカロリー消費量は、長時間運動したケースのほうが大きくなるので、消費カロリーを増やしてやせよう(あるいは太らないようにしよう)と思う人は、有酸素運動を習慣づけることが大事になる。

 かつては「有酸素運動を30分以上継続すると体脂肪が燃え始める」といわれていたが、現在では「細切れであっても合計の運動時間が長ければ消費カロリーが増える」という説のほうが有力だ。続けて60分ジョギングしても、10分のジョギングを6回やっても減量効果はほとんど同じ、ということのようだ。ビジネスパーソンにとっては後者のほうがやりやすいのではなかろうか。

 運動の強度は強いほうが消費カロリーも大きい。同じ時間であれば、ウォーキングよりはジョギングのほうが消費カロリーは大きい。ただし、ダイエットのためということであれば(つまり肥満者にとっては)ジョギングは「強すぎる」という指摘も出てきた。ウォーキングのほうがとっつきやすいし継続もしやすいので、ジョギングよりはウォーキングをお勧めする。同じ理由で、水泳よりもプールで水中をゆっくり歩くという方法をお勧めする。何よりも「自分が継続できる有酸素運動」が一番である。

【※1】基礎代謝
体温を保ったり心臓や肺や脳などの臓器を動かしたりなど、生命を維持するために必要なエネルギー。日本人の場合、成人女性で平均1200キロカロリー、成人男性で平均1500キロカロリー程度だと考えられている。

軽い筋トレを仕事や家事の合い間に

 では、ダイエットのためには有酸素運動だけでいいのだろうか? てっとり早く「消費カロリー量を増やす」という意味ではそれでいいのだが、有酸素運動をやり過ぎると、体脂肪も減るが筋肉量も落ちてしまう。周囲に本格的にマラソンなどをやっている人がいたらわかるだろうが、ガリガリともいえるほどにやせているはずだ。けっして健康的とはいえない。

 冒頭で「基礎代謝は増えにくい」と書いたが、基礎代謝量は筋肉量にも影響される。身体に筋肉がしっかりとついている人は 基礎代謝量が多いので消費カロリーが大きくなる。基礎代謝量は運動をしていないとき、つまり寝ているときでも消費するので、筋肉質の人は「消費カロリーの高い体質」であるといえるだろう。似てはいるのだが、体脂肪がたくさんついていても基礎代謝は上がらないので注意が必要。

 理想などを追求しないのがこのコラムなのだが、あえて「理想をいえば」筋肉をつける運動も心がけるほうがいい。とはいってもジムなどに通う必要はない(通ってもいいのだが・・・・)。自分の体重を利用した筋力運動・・・・軽いスクワットとか軽い腕立て伏せとかを心がけよう。

 これらの例はネットでいくらでも見つかるはず。肝心なことは、筋力運動は負荷をかけすぎないこと、辛くならない程度の時間で止めることだ。この運動自体で消費カロリーを増やそうとするのではなく、筋肉をつけて(筋肉量を落とさずに、というイメージのほうがいいかも)基礎代謝量の高い身体を維持するつもりで続けることだ。

 わざわざ「今から筋トレを始めよう!」と意気込むのではなく、通勤の途中で、会社の休み時間や昼食後に、家庭で家事の合い間や家事の最中に、「軽い筋トレをする習慣」を身につけよう。

 やはり運動も有酸素運動や筋肉トレーニングのどちらかに偏るのではなく、両方をバランスよく実行する、ということになる。

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