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あのヨーロッパがね!

 最近ひんぱんにドイツ銀行の窮状が報道される。 金融バブルに乗って証券化商品などの販売で不適切な行為を重ねたということで、米国から巨額の課徴金の支払いを命じられているのだ。

 それ以外にも、ギリシャやポルトガルといった債務国への融資案件が相当に焦げ付いているなど、ドイツ銀行が抱える不良債権問題は水面下でずっと懸念されていた。

 これはドイツ銀行だけの問題ではない。 ヨーロッパの多くの銀行が大なれ小なれ、金融バブルに踊り狂ったツケに苦しんでいる。

 長くヨーロッパで仕事をしてきた身からいうと、まったく信じられないことで。 まさに、「あのドイツ銀行が、こんな不様なことになるとは!」である。

 英国の銀行など金融機関は、米国と同様にアングロサクソン系といわれ、外に開かれたグローバルベースの金融ビジネスに秀でている。

 一方、ヨーロッパの大陸系は長い戦争の経験もあり、どちらかというと守りのビジネスでは盤石の強みを発揮してきた。

 大陸系の銀行はユニバーサルバンキングといって、あらゆる金融ビジネスを自由に展開できる立場にある。 お堅い銀行業務から、証券や投資銀行業務まで、それこそ垣根なしに進出できるのだ。

 それだけ、ヨーロッパ大陸の主だった銀行が積年の経験から、自制とバランス感覚を磨いてきたのを、国や当局が全面的に信頼しているという証明である。

 自制とバランス感覚? どんなブームも終わりというものがある。 ブームに最後まで踊り狂うよりも早めに降りて、ブームの崩れを待ち構えて、そこでもう一度儲けようとするしたたかさが、大陸系の真骨頂である。

 そういった大陸系の銀行が歴史と伝統を捨てて、アングロサクソン系の攻めの金融に走ったのが、あの金融バブルであった。 グローバル金融でどんどんビジネスを拡大している米英の銀行に負けてはならじとなって、自制とバランス感覚を失ったのだ。

 金融バブルが弾けると、付け焼き刃のボロが一気に吹き出てきた。 米系の銀行は国から不良債権を一括処理するか、倒産の道を選ぶかを迫られ、早々と金融バブルの処理を終えた。

 ところが、大陸の銀行はバブルに突っ走って不良債権を抱え込むなど初めてのことであり、国も金融の不始末に手を焼くなんて考えてもいなかった。 まして、ヨーロッパは統合を目指してEUとなっており、各国それぞれが独自に動けない。

 そんなモタツキが、今日に至るまでヨーロッパの金融問題として尾を引いているわけだ。 マイナス金利もその一環である。

 これからどうなる? EU全体としては、時間をかけて金融バブルの処理を進めていこうとしているが、さてさてどうなることやら。

 ドイツ銀行よりも弱小の金融機関はいくらでもある。 そのどれかが地雷原となって、金融バブルの後始末を強制的に迫られる展開も、頭の片隅に入れておいた方がいい。

 まあ、どうなろうと長期投資しておけば大丈夫。 世界経済のモタツキが続こうと、金融マーケットが大波乱に陥ろうと、世界中の人々の生活はなくならないし、それを支える企業活動は続く。

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