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中国のハリウッド企業買収を警戒するアメリカ政府

米国政府が中国のハリウッド企業買収に対する警戒を強めている。

近年、中国企業がハリウッドのスタジオや、映画館チェーンを買収する案件が多くなってきている。特にワンダ・グループによる、全米最大チェーンの映画館を運営するAMC、ダークナイトシリーズやアメリカ版ゴジラを製作したレジェンダリー・ピクチャーズの買収は世界中の映画業界関係者も高い関心を示している。
一方、アメリカ政府は中国企業の買収攻勢に警戒心を強めてきている。

米国政府説明責任局(通称GAO)は、対米外国投資委員会(通称CFIUS)からの要求書に応じることに同意したとdeadlineが報じている。
Hollywood & China: U.S. Gov’t Agency Agrees To Review Foreign Investment Panel | Deadline(要求書はこちら

中国とロシアの国営、または国の影響力下にある企業による、ハリウッドスタジオや映画館チェーンの買収の増大により、アメリカのメディアに当局による表現規制やプロパガンダの影響の増大を懸念事項とすべし、と書かれたこの要求書は、1988年から2007年に体系化されたCFIUSは権限の範囲や組織が更新されておらず、グローバル株式市場の劇的変化、とりわけ外国政府の支配下にある企業による買収の活発化などを理由に、CFIUSの権限の拡大を訴えるもの。

CFIUSとは、アメリカ以外の国の企業が国内企業の株式を取得する際に、その取引を審査、規制する象徴横断の委員会。財務省や国防総省、商務省など9つの機関からメンバーが選出され委員長は財務長官が務める。承認された取引であっても、政府との合意に違反が認められた場合には罰金を貸したり、投資の引き揚げを命じることもできる。
最近では、オランダのフィリップスが照明部品部門「ルミレッズ」を中国企業に売却しようとしたことろ、CFIUSが承認しなかったケースがある。ルミレッズは、サンノゼに研究・開発の拠点を構えており、LEDに関する多数の特許を取得している企業だ。

最もハリウッド企業の買収に活発なワンダグループは、厳密には中国国営企業ではないが、当局とは密接な関係を持った企業でもある。レジェンダリーの買収から最近になってさらに、ゴールデングローブ賞やアメリカン・ミュージックアワードなどの放送を手がける制作会社ディック・クラークの買収をも目指していると報じられている。パラマウントの株式の49%取得を目指したとも言われている。

ワンダグループのワン会長の野望は、ハリウッドの6大スタジオの一角を手中に入れることだと言われている。ハリウッドにとって中国はすでに無視できないほど大きな存在になっているが、アメリカ政府はこの動きに対して緊張感を強めているようだ。

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