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グローバル競争を勝ち抜く「超一流人材」の採り方 - 坂本幸雄

坂本幸雄 (サイノキングテクノロジーCEO、元エルピーダメモリ社長)

 日本のプロ野球界で一流になった選手がメジャーリーグへ移籍する、という流れができて久しい。移籍について選手は「より高いレベルで勝負したい」「昔からの憧れ」などの理由を口にするが、「報酬が高くなる」ことは見逃せないだろう。

 いまやニューヨークヤンキースのエースとなった田中将大投手は、日本で年俸4億円だったが、メジャーリーグでは22億円ほどの年俸を手にしている。メジャーリーグは高額報酬で世界中から優秀な人材を集めているといえる。

 こうした動きはもちろん野球界だけに発生していることではない。多くの企業はグローバル競争に否応なしに組み込まれている。超一流人材の獲得が、企業の命運を左右するといっても過言ではない。

 年功序列に代表される伝統的な日本企業の人事・賃金制度がこうした超一流人材の採用と相性が悪いのは言うまでもないだろう。

 海外の企業が1億円出すといっている人材に対して、「あなたは28歳なので、500万円です。ただし、30年後には役員になる可能性もある幹部候補生です」と口説いても採用できるわけがない。

 「ものづくり大国」日本に残された最後の砦といわれる自動車業界にも、自動運転の開発が進むなどして、劇的な変化が訪れている。グローバル競争を勝ち抜くには、これまで社内に抱えていなかった超一流のAI(人工知能)の研究者が必要になってくる。トヨタ自動車は、最近別会社をつくってそうした超一流の人材を集めているようだが、他の業界でもそうした人材を獲得することが必要になってくるだろう。

 高額報酬は固定給だけで支払う必要はない。「5年後に成果を出したら5000万円支払う」という出来高払いでもよい。これは途中で退社したら手にできないので、リテンション(人材の維持・確保)にも繋がる。

 新卒一括採用も見直したほうがいい。グローバルで採り合いが発生する超一流の人材が「新卒だから」というだけで、他の同期と待遇面も含めて同じように扱われるのであれば、その企業が選ばれるわけがない。

 米国では新卒でも一人ひとりの給与が違う。歳が同じだからといって、能力が等しいわけがなく、ある意味日本企業より平等な賃金体系だと言える。こうしたかたちにすれば、大学で勉強するモチベーションにもなり、マクロでみれば国力もあがるのではないか。日本の大学生は勉強しないと言われるが、新卒一括採用がそれを助長している面もあると感じている(かくいう私も大学時代は野球に没頭していたが……)。

 同時に超一流の人材には、全面的に任せて働かせることも必要だ。これは簡単なように思えて意外と難しい。素人があれこれ口出しをすると、モチベーションが下がり、成果が出しづらくなる。最悪の場合は、高額報酬を支払ったのにすぐに辞めてしまう可能性もある。

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