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「インバウンド依存」の化粧品業界の今後は

みずほ証券 シニアアナリスト 佐藤和佳子 構成=衣谷 康

昨年は訪日外国人によるインバウンド特需で活況を呈した化粧品業界。しかし、それにも陰りが見えてきている。

化粧品の場合、訪日外国人の中でも中国人による購買が大きい。よって、訪日外国人総数よりも訪日中国人数のほうが重要度は高い。

その訪日中国人数が、今夏は昨年同時期と比べ、伸び幅が小さくなりそうだ。中国人観光客の誘致は韓国と競合する面があるが、昨夏は韓国でMERS(マーズ)の流行があり、それが日本有利に働いた。今年は、そういった特別な事情がない。

今後もインバウンド需要がなくなるわけではないが、各社「インバウンド依存」ともいうべき状態から脱却するためには、それに代わる成長の柱を見つけなくてはならない。

大手3社の中で最もインバウンドによる恩恵が少なかったカネボウは、日本を含めたアジアを1つのマーケットと見なし、同じブランド、同じ商品を同一に近いタイミングで展開する戦略をとっている。IT技術の進化などで、もともと文化的に近いアジアは流行やトレンドがかなり似通ってきている。そのニーズを掬い取っていければ今後、面白いだろう。

コーセーは、看板商品の「雪肌精」を百貨店で展開するなど、高級路線を強めている。短期的に売り上げが下がる面もあるだろうが、もともと同社は営業利益率が他社と比べて圧倒的に高い。ブランドマネジメントがうまくいけば、グローバルに利益を上げていくことも見えてくる。

業界トップの資生堂は米ガーウィッチ社の買収など、M&Aを続けている。中長期戦略「VISION 2020」で掲げた営業利益1000億円超達成のためにグローバルでの利益拡大を狙っているのだろうが、既存の中国事業や米ベア社の構造改革の問題も完全に解決しておらず、やや不安もある。

各社グローバル展開での成功の可否が、鍵になりそうだ。

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