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世界に広がるアジア発のステッカー文化

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By JOANNA STERN

 筆者が先週、いつも通り電話をしていると、メッセージアプリに「You Go Girl!(やるね!)」というコメントの入ったニヤリと笑っている男性のイラストが表示された。これを送ってきたのは小学生の子供ではない。66歳の男性だ。

 筆者の親友の父親は年金やゴルフクラブの会員権に加え、デジタルステッカーのコレクションも持っている。そして幸運にも素晴らしいユーモアのセンスも持ち合わせている。自身のアバター(分身)の洋服を選んでいるのも彼だ。

ビットモジを使って筆者が親友の父親と交わした会話
ビットモジを使って筆者が親友の父親と交わした会話 Photo: Bitmoji

 デジタルステッカーは過去数年にアジアで急速に普及し、他の地域にも拡大しつつある。その勢いはまるで、たがが外れた10代の子供のパジャマパーティーのようだ。皆さんも筆者と一緒に誇りを持って、こう宣言しよう。私はいい年をした大人だが、気持ちを伝えるためにステッカーを使っていますと。

 何の話かさっぱり分からない人もご心配なく。すぐに分かるようになるはずだ。市場調査会社センサータワーによると、わずか数週間前に開設されたアップルの「iMessage(アイメッセージ)」向けアップストアでは今や1250種類以上のステッカーが入手可能だ。先月は、ツイッターが独自の広告ステッカーの配信を開始した。フェイスブックやスナップチャット、ワッツアップ、グーグルの新しいメッセージアプリ「Allo(アロ)」でもステッカーが利用できる。

 さらに、ステッカーアプリ自体もある。アバター絵文字が作れるスナップチャットの「Bitmoji(ビットモジ)」というアプリは、筆者の親友の父親を含め数百万人が利用しており、数カ月前から人気アプリランキングの首位を占めている。香水のように著名人がプロデュースしたステッカーパックも登場している。タレントのキム・カーダシアンの「Kimoji(キモジ)」や歌手のジャスティン・ビーバーの「Jusmoji(ジャスモジ)」、司会者のエレン・デジェネレスの「Emoji Exploji(エモジ・エクスプロジ)」などだ。これらは全てチャットに彩りを添えるものだ。

 ステッカーは今やIT(情報技術)企業やアプリ市場にとってドル箱となっている。日本で人気のメッセージアプリ「LINE(ライン)」によると、ステッカー(訳注:日本では「スタンプ」と呼ばれている)の1カ月の売上高は2000万ドル(約20億円)に上るという。

 独立系のアーティストも参入している。そして筆者もだ。この記事のために、愛犬ブラウザーの無料ステッカーセットを作ってみた。

 なぜこんなにもステッカーがはやっているのか。「百聞は一ステッカーにしかず」だ。文字ベースのコミュニケーションでは、表情や視覚的な手掛かりがない。かといって小さい絵文字では物足りない。ステッカーなら退屈な文字だけのメッセージを楽しい漫画へと変えてくれる。

多くを伝えるビットモジ

 筆者はビットモジのアバターをバージョンアップ版の自分と考えている。肌と髪は完璧で、楽しく感情豊かでウイットに富んだ反応を常に返すことができるのだ。

さまざまなiMessage用ステッカー

ペット愛好家やスポーツファン、美食家までiMessageにはあらゆる人向けのステッカーが用意されている


George R. R. Martin(無料)
テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のステッカー
Photo: Random House



Corgimoji(2ドル)
コーギー犬のステッカー
Photo: Connie Cheng



Any Given Emoji(2ドル)
米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)所属選手のステッカー
Photo: Whalerock Digital



Pizza Friend(無料)
ピザをモチーフにしたアニメーションのステッカー
Photo: Jon Burgerman



Grammar Snob(1ドル)
文章校正ステッカー。「they’re」と書かれた箇所に「their」の絵文字をドラッグして挿入するなどできる
Photo: Apps from Outer Space



Sushi - 寿司 (1ドル)
さまざまなネタを組み合わせて独自のすしプレートステッカーを作れるアプリ
Photo: Creemo



Pun Pals(1ドル)
だじゃれステッカー
Photo: American Greetings



iMoji (無料)
自分でステッカーを作って共有したり、他の人が作ったステッカーを検索したりできるアプリ
Photo: Builds


 ビットモジで自身のアバターを作るのは初心者でも簡単だ。iPhone(アイフォーン)またはアンドロイドフォン向けのアプリをダウンロードし、電子メールアドレスまたはスナップチャットのアカウントで登録する。これでもうアバターのデザインを始められる。髪の色から顔の輪郭まで全てが調整可能だ。

 作ったアバターはさまざまなメッセージアプリを介して送信できる。「ビットモジ」キーボードをオンにすれば、メッセージアプリ内でそれらを使えるようになる(iPhoneの場合、「設定」-「一般」-「キーボード」を選択)。ビットモジは、iMessage向けアプリはまだ配信していない。それがあればステッカーをドラッグし、iMessageの会話に簡単に挿入できる。ビットモジの創設者ジェイコブ・ブラックストック氏は筆者に現在検討中だと教えてくれた。

 何百通りもの異なるシーンやコメントをあれこれ考えるのも、ビットモジング(そう、「ビットモジ」は既に動詞化されているのだ)の楽しみの1つだ。しかし、その際、表情を良く見ることだ。笑顔やしかめ面のバリエーションの多さは、ビットモジのさりげない素晴らしい部分の1つだ。

 ブラックストック氏は「表情はとても多くの情報を伝えてくれる。言葉だけではない」とし、ビットモジがあれば「単に文字を読むだけでなく、友達に会っている感覚が味わえる。文章に人間味が与えられる」と話す。

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