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【読書感想】Googleが仕掛けた罠

Googleが仕掛けた罠 (小学館新書)Googleが仕掛けた罠 (小学館新書)


Kindle版もあります。

Googleが仕掛けた罠(小学館新書)Googleが仕掛けた罠(小学館新書)

内容(「BOOK」データベースより)
いまや世界最大の企業となったグーグル。検索、メール、カレンダー等々、優れたサービスを無料で提供し、不動の地位を確立しているが、その元となっているのは、ユーザーから収集した膨大な“個人の情報”だ。こうした個人情報が漏れてしまったら…あなたの経済的・精神的な損失は計り知れない。マイナンバー時代を迎え、重大情報が流出する危険性がますます高まるいま、防衛技術の第一人者が、個人情報を死守するポイントを明かす。

 えっ、Googleって、何か陰謀に加担していたの? Googleの指針とされている””Don't be evil.”っていうのは、建前だけだったのか……

 などと考えてしまう扇情的なタイトルではありますが、この新書に書かれているのは、要するに「Googleはあなたの個人情報を利用してビジネスをしている会社であり、セキュリティ意識を持って利用しないと、とんでもない目にあう可能性がありますよ」ということなんですよね。

 そんなこと、言われるまでもない、わかってるよ、でも、いちいちパスワードを入力したり、無意味な文字列を設定するというのは、日常においては、あまりにもめんどくさくて……

 セキュリティ対策と「手軽さ」というのは、往々にして、相反するのです。

 著者は、Googleは、「ユーザーの情報をカネに変える会社」なのだと述べています。

 言葉を換えれば、グーグルは、自社が無料でサービスを提供するのと引き換えに、ユーザーからさまざまな情報を吸い上げ、それを広告主に提供していると言えます。検索情報やGメールの本文、グーグルマップから得られるユーザーの位置情報(つまり、リアルな行動情報です)など、ユーザーから得た情報にもとづいて、表示する広告を「最適化」することにより、グーグルは広告事業収入を上げているのです。
 言ってみればユーザーの情報をカネに換えているわけです。
 検索履歴を収集しているくらいなら聞いたことがある人が多いでしょうが、メールの内容や位置情報まで監視されていることまでは知らなかった、という方もいるでしょう。しかし、前述のとおり、グーグルの利用規約やプライバシーポリシーには、そう明記されています。つまり、グーグルのサービスを利用するのであれば、情報がダダ漏れるのはある程度覚悟しておく必要があるのです。

 まあ、その代わりに、ユーザーは無料でGoogleのサービスを利用しているのですから、あとは、自分の情報を提供し、それに合った広告が表示されることとの「つりあい」をどう考えるか、ということなのでしょうけどね。

 結局のところ、セキュリティに関しての不安はあるし、自分の行動をいちいちチェックされるのは鬱陶しいけれど、現状ではGoogleの便利さには換えられない、というが、多くの人の「落としどころ」ではないかと。

 そしてこれ、たしかに利用規約にはちゃんと書かれているんですよね。
 あれを隅々までちゃんと読む人って、いるかどうかはさておき。

 ちなみに、「インターネット広告業界人の話によれば、日本人のネット上の行動の9割ぐらいは把握できている」のだそうです。
 われわれは、「検索している」つもりで、実際は、広告の対象として「検索されている」のです。

 セキュリティ対策の専門家である著者によると、「実名登録」であるフェイスブックは、よりいっそうユーザーの実像に近い情報を広告主に提供している一方で、Twitterは、現時点ではそれほど「情報をカネに換える」ことに熱心ではない、とのことです。
 それがポリシーなのか、単にうまく商売ができていないだけなのかは、わからないそうですけど。

 著者は「マイナンバー」のセキュリティについても危惧しているのです。
 マイナンバーを管理するデータベースでは、悪意ある人に不正使用されるのを防ぐため、マイナンバーを暗号化して保管していると説明されています。仮に私のマイナンバーが「123456789018」だとしたら、それが、人間が見ただけではわからない無意味な文字列に変換されているのです。
「だったら安心」と思うのは大間違いで、いまの時代、さまざまな暗号を解析するソフトが出回っていて、CPUの進化や、GPU(画像処理用プロセッサー)を利用して並列処理する技術の一般化などで、解析に要する時間も劇的に短くなりました。12桁の数字くらい、ほとんど一瞬で解析されてしまいます。桁数が短すぎて、暗号化の意味がないに等しいのです。
 自分で設定している「パスワード」も、「4桁程度の数字だけなら、あっという間に解析できる」そうですよ。
 ハリウッド映画のなかの「スーパーハッカー」じゃなくても、その気になれば、僕が設定したパスワードなんてすぐに見つけられて、SNSに僕の発言として、暴言を書かれてしまう可能性があるわけです。
 それはやっぱり、想像すると怖いよなあ。
 みなさんは連絡先をどのように管理しているでしょうか。私は前に触れたように、必要な連絡先だけをガラケーで管理しており、スマホで連絡先を同期したり、クラウドサービスに電話帳を保存したりすることはしていません。
 住所や電話番号や、メールアドレスなどの重要情報は、個人情報のなかでも最重要なものです。パソコンでもスマホでも同じ情報にアクセスできるのは、たしかに便利ではありますが、私はその重要性と利便性を天秤に掛けた場合、利便性よりも情報を護るほうをとります。

 ここまでやるのか……でも、それだったら、スマートフォンを使うことそのものがリスクなんだよなあ……と僕などは考え込んでしまうのです。

 個人情報がダダ漏れは怖いけれど、紙の手帳やガラケーに戻るというのも、つらいですよね。
 実際は、そこまでやらなくても、効果的なパスワードの作り方や情報を扱う際の注意点なども書かれているので、スマートフォン時代のセキュリティに不安を感じている(そして、自分はあまりコンピュータには詳しくない)という人には、格好のセキュリティ入門ではないかと思います。

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