臓器売買事件の話である。
当初の報道では、腎移植を受けようとした医師が、医師のくせに、親族間優先ルールを悪用して怪しからんことをしたという感じだったが、その後の報道ではちょっと様相が変わってきている。
臓器売買:仲介役の組員 医師に口止め料要求
この記事を素直に読むと、臓器売買を持ちかけた暴力団組員は、提供者役の「元」組員とそれぞれに医師を恐喝しつつあった。
そもそもが腎臓移植の報酬1000万円を前払いさせておきながら、手術の前に追加報酬1000万円を要求するということ自体、足元を見て恐喝金を釣り上げたにほかならない。
追加報酬を断ると、手術は中止となったというのだから、本当に臓器移植をするつもりがあったかどうかも怪しいもので、仲介者組員は間にたった妻をメールで脅して口止め料をとろうとしていた。
その一方で、提供者役の「元」組員は、なんと養子縁組の離縁無効確認訴訟を家裁に提起していたということで、また別の恐喝、というかしゃぶりつく手がかりを追求していたようである。
また次の記事では、上記の中止となった臓器売買に伴うトラブルの仲裁を別の暴力団員に求めるという、典型的なシンカーとサルベージ屋的構造も見受けられる。
臓器売買:トラブル仲裁が契機に
こちらの方は、実際に臓器移植に至ったようで、報酬1000万円のうちドナーに渡ったのは40万円、残る960万円はヤクザが得たと言うことになっている。
警察は恐喝事件の被害者や執刀医の方を追及しているようだが、肝心の恐喝者とその背後の金の流れの方こそ全力を上げて追及して欲しいものである。
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北海道大学教授。民事訴訟法、サイバー法を専門とする法学者