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人間は社会的な生き物。働く場があればボケる高齢者も絶対に少なくなるでしょ - 「賢人論。」第1回堀江貴文氏(中編)

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特別インタビュー「賢人論。」第1回(中編)堀江貴文氏は「最低賃金を撤廃すれば高齢者の働く場が増える」と語る

「賢人論。」第1回前編で、「要介護者がゼロになった状態が理想」と語った堀江氏。彼によれば、医学的に予防を行うだけでなく、「社会と関わるシステム」を変えることでそれは可能になっていく……という。ホリエモンが考える、「理想の高齢社会」そして「理想の社会保障」とは?

取材・文/川口有紀(フリート)

最低賃金を撤廃すれば、「働きたい」高齢者の社会参加を可能にする

みんなの介護 堀江さんは、家族や社会のあり方に関して今思われていることはありますか?

堀江 僕が今システムとして必要だなと思うのは、最低賃金の撤廃ですね。だって撤廃しないと、高齢者の人が働けないですもん。

みんなの介護 最低賃金のラインが無くなれば、高齢者の雇用はもっと増える、と。

堀江 そうです。時給800円は払えないけど、時給300円、200円だったら働いてもらいたい、という状況はありうるわけです。よく高齢者の働く場所がない、という話が問題として上がりますけど、これは最低賃金を変えないと、働く場所は増えないと思うんですよ。

みんなの介護 でも、そうなると若者たちの雇用も奪ってしまうのでは……という懸念もありませんか?

堀江 それは仕方ないですよね。

みんなの介護 厳しいですね(苦笑)。

堀江 でも僕は最終的に、そういう高齢者の人たちに「負の所得税」(注・累進課税システムの一つ。一定の収入がない人々は政府に税金を納めず、政府から給付金を受け取るというもの)を与えるのが効率として一番いいと思うんですよ。時給は200円かもしれないけど、他の収入は「負の所得税」のような一定収入で賄う、と。

みんなの介護 いわゆるベーシックインカム(注・政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想)も、その一種ですよね。

堀江 例えば、年収が100万以下だったらあと100万円保証しますよ、と。結局そのほうが、最終的な社会保障費は削減できるんじゃないかなと思うんですよね。

みんなの介護 でもそうなると、労働への意欲をそがれる人が多くなりませんか?

堀江 そうなると思いますよ。でもね、それでいいんじゃないですか?

みんなの介護 社会保障費自体はそちらのほうが減る、と。

堀江 今、社会保障の制度って本当にたくさんありますよね。厚生年金、国民年金、厚生年金基金や401k(注・確定拠出年金)、介護保険や雇用保険、生活保護……全部バラバラで、監督官庁も違う。そんなことをやるんだったら、負の所得税に一本化する、もしくは生活保護に一本化する、というのがシンプルでいいんじゃないかと。

あと、高齢者の最低賃金を下げることは、「働きたい」という意欲を持った高齢者に働き先を提供することで、絶対ボケ予防になると思うんですよ。人間というのは社会的な生き物なんです。介護が必要な状況になっていくのは、そこの部分も原因だと思うんですよね。

みんなの介護 そういうお話ですと、やはり政治という枠組みの問題が大きくなりますよね。再度政治の世界に挑戦という気持ちにはならないんですか?

堀江 政治家にですか? なりません(笑)。

特別インタビュー「賢人論。」第1回(中編)堀江貴文氏は「高齢になるほど違う世代の仲間とのコミュニケーションに慣れることが大事」と語る

高齢者が若い世代とのコミュニケーションに慣れることが要介護者を増やさないことにつながる

みんなの介護 「みんなの介護」 としてはお伺いしておきたいのですが、堀江さんは老人ホームに関してはどう思われていますか?

堀江 僕、老人ホーム反対派なんですよ。入りたくないですもん。

みんなの介護 そうなんですか!? それはまた、なぜなんでしょう?

堀江 なんで同じ世代の人達ばっかりで固まるの、と。僕だったら嫌ですよ。だって、若い人たちと一緒にいたいですもん。だから今後必要だなと思うのは、そういう“場”づくりですよね。社会の中に老人も混ぜてくれよ、って思うんです。

みんなの介護 高齢者の雇用を増やす、という話にも繋がりますよね。

堀江 老人になったら老人ホームに入る、と思い込んでる事自体がおかしいんじゃないかと。昔は家庭にいたわけですし。

みんなの介護 老人ホームの良い点として、同世代で一緒にいられるのは気楽ですし、メリットと感じる人が多いのも現実ですが……。

堀江 そういうことを言ってるからダメなんですよ(笑)。

みんなの介護 厳しいですね(笑)。でも高齢者の絶対数が多くなってくることで、介護が必要になる人が増えてくるというのはどうしても仕方のないことで。今、国としても地域包括ケアシステムなどでそのあたりを解消しようと試みていますが、それを考えると施設に入るほうがスケールメリットは大きいと思うんです。移動コストを考えると、在宅医療が増えていくのは厳しいのではないか……とも考えられますし。

堀江 でも、その考え方だと余計に要介護者が増えると思うんですよね。例えば、日本人の大半が60歳、65歳で定年になり、その年齢になったら強制的に社会から遮断されてしまうわけです。その時点で、その世代の何割かが介護予備軍になってますよね。でも最低賃金を下げて社会の中で仕事を続けていくことで、その状態は変わるわけです。

要介護者にならないためには、もちろんさっき僕が言った病気の予防も大切ですよ(前編「介護のない状態を作る」のが理想」)。でも、社会の中で老人が役割を与えられて生活をする……そういう“社会生活”の中で予防ができると思うんです。例えば仲間を増やす、しかも世代が違う仲間とのコミュニケーションに慣れてもらう。これも要介護者を増やさないことに効果的だと思うんです。

みんなの介護 「同じ世代の人といるのが楽」という考え方自体をしないようにする、と。確かに最近、同じ建物の中にサービス付き高齢者向け住宅とファミリー向けのマンションが共存していたり、若者と高齢者が共生するコミュニケーション型のシェアハウスができたりと、多世代交流型の住まいも徐々に出現しはじめています。指摘された課題は、解決への道を歩みはじめている感じがします。

インターネットやSNSが進んでいる今の時代、高齢者が同世代で固まる必要はない

堀江 僕、教育制度の問題もあると思うんですよね。おかしいと思うんですよ、小学校とか。家族と過ごすよりも長い時間を6年間、同じ世代の子供たちと同じメンバーで過ごすわけですよ。異常でしょう?

みんなの介護 そう言われると、そうかもしれませんね。

堀江 これは何のためのシステムかというと、軍隊を作るためのシステムなんです。国民国家の義務教育制度は全部そのために作られてますし、日本は明治維新の時に導入したその制度をずーっと使い続けているわけです。今の日本の義務教育というのは「あなたは日本人です、国を守らなくてはいけませんよ、男子は軍隊に入りなさい」という考え方から成り立っている。だから同じ世代の人達と集団生活をして、規律ある行動をとれるような人格を形成するんです。これは国のため、軍隊のためなんですよね。

でも今はグローバル化が進んで、インターネットやSNSが進んでいる時代です。同世代で固まる必要はないんですよ。でもずーっとそういう教育をされてるから、同世代と居たほうが楽だと思っちゃうんですよね。

みんなの介護 なるほど……。

堀江 同世代とばっかり一緒にいるから、余計ボケるんだと思いますよ。若い子たちと交流してたらなかなかボケないです。僕の周りにいる老人ってそんな人多いですよ。80歳になるのに毎日ワイン飲んで、若い30代の彼女とか作ってたり(笑)。

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