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全米レイプ被害は約900億円 妊娠検査「レイプキット」が示す光明

Janet Burns ,CONTRIBUTOR
編集=上田裕資

アイダホ州の保安官、クレイグ・ローランドは、「レイプキット」(レイプの証拠を収集するためのキット)は無意味だと述べて物議を醸したが、レイプキットは被害に苦しむ女性やその家族にとって有用だということが明らかになった。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学がオハイオ州でレイプキット約5,000点を調査した結果、これまでにレイプ犯520人を起訴し、220件について有罪判決を獲得することができた。また、今回の調査によって連続レイプ犯の数が従来考えられていた以上に多いことが明らかになった。研究チームはレイプ犯の再犯率は25%ほどもあり、レイプキットをすぐに検査していればその多くは防ぐことができたはずだと述べている。

未検査のレイプキットを調査するのに1件当たり950ドルの費用が掛かるが、研究チームは潜在的被害者数を減らすことで1人当たり20万ドル、合計で4,830万ドル(約49億円)と推計される医療費や被害者の精神的打撃を軽減できるとしている。オハイオ州北東部でのレイプキットのテスト費用を960万ドルと見積もると、3,870万ドルもの費用が節約できる計算になる。また、野放しのレイプ犯を捕まえ、推計で1,290件の起訴と947件の有罪判決につなげることも可能だ。

「レイプキットのテスト費用は、被害者や社会が負うコストに比べれば比較にならないほど小さい。レイプ犯に裁きを下し、社会をより安全にするという理屈が物足りないのであれば、経済的メリットの大きさも訴えることができる」とケース・ウェスタン・リザーブ大学のレイチェル・ラベルはプレスリリースで述べている。

レイプ被害コストは全米900億円

今回の発表はまだ途中経過に過ぎない。カヤホガ郡にはキットの調査を待つレイプ被害者が4,000人以上もおり、研究チームは被害者やその家族、米国社会が負うコストの総額は8億8,580万ドル(約900億円)になると推計している。研究チームは、こうした金額を示すことによって、全米の警察が未検査のレイプキットの調査に乗り出すことを期待している。

「正義を追求するための資金やリソースが限られている中で、レイプキットの検査は投資効率が高いことを示すことができた」と今回の研究をリードしたケース・ウェスタン・リザーブ大学のメンデル・シンガー准教授は話す。

カヤホガ郡のティモシー・マックギンティ検事は次のように述べている。「レイプ犯は被害者に肉体的・精神的苦痛を与えるだけでなく、その家族や社会にも多大な金銭的コストを課している。今回の研究で、レイプキットから得られた証拠によって危険な犯罪者たちを捕まえることができることが明らかになった。新たな被害者を生まないだけでなく、納税者は何千万ドルもの費用を節約することができる」

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