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高齢者への3万円支給も低年金者ではなく「低所得者」だったら、ここまでの批判は浴びなかったのかな?と思う - 「賢人論。」第5回乙武洋匡氏(後編)「

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特別インタビュー「賢人論。」第5回(後編)乙武洋匡さんは「高齢者への3万円支給も低年金者ではなく「低所得者」だったら、ここまでの批判は浴びなかったのかな?と思う」と語る

前編、中編と続けて、社会保障の中でも「介護」にフィーチャーして語ってもらったが、後編となる今回は、「保育」ともあわせて社会保障全体について言及。特に、乙武氏が今、力を入れている「ひとり親世帯への児童扶養手当の増額」というキャンペーンの話を中心に、社会保障の理想的なあり方について語ってもらった。

取材・文/安濃直樹(編集部) 撮影/伊原正浩

「まちの保育園 小竹向原」は、カフェを併設することで地域とのつながりを作っていきました

みんなの介護 前編(「介護離職ゼロ」と「介護報酬引き下げ」は、完全に矛盾していますよね?」)、中編(「介護士と保育士の資格一体化には反対。でも、介護と保育を同時に行える施設をつくることは賛成」)と続けて、介護業界における問題点、主に「人材不足をどのように解決していくか」について語っていただきました。

乙武 ここまで話してきた内容って、保育園を取り巻く現状とまったく同じなんですよね。待機児童がたくさんいるから、保育園をたくさん作らなければならない。だけど、いくら箱を作ったところで、そこで働く保育士を十分に確保できない。なぜなら、給料が低くて保育士のなり手が少ないから。ホント、まったく同じ構図なんですよ。

みんなの介護 なんで同じ過ちを繰り返すんでしょうね?ところで、保育園の経営に携わる身として、保育士の人材確保は難しいという実感はありますか?

乙武 私が経営に携わっている「まちの保育園」は、また少し特殊かもしれません。1~2年目は確かに経営も人材の確保も苦労しました。離職率も決して低かったとは言えません。ただ、3年目以降はようやく園が落ち着き始めました。というのも、園としての理念――「地域に開かれた、地域とつながる保育園」という理念が浸透していったんですよね。

少しずつメディアなどで取り上げられるようになり、私たちの取り組みが知られるようになると、「ここで働きたい」と希望してくださる方が少しずつ増えはじめた。うちだって台所事情は苦しいですから、そこまで高いお給料を払えているわけではないのですが、「それでも、この理念に共感したので」と高いモチベーションを保って働いてくださるスタッフが非常に多いんです。

みんなの介護 具体的には、どのように“地域とのつながり”を持つように取り組んだのでしょうか?

乙武 開園前には大きなジレンマに悩まされました。地域とのつながりを生んでいくためには、園を開いていかなければならない。ところが、昨今の様々な事件の影響から、セキュリティは厳しくする必要がある、つまり園を閉じていく必要がある。これは困ったな、と。

そこで、私たちは敷地の一部をカフェにしたんです。保育園の入口はしっかりとしたセキュリティを意識して、カフェの入口はどなたでも入れるようにする。そうしてカフェに集ってくださった方々と園の子どもたちとをつないでいこうと試みたんです。

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