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後期高齢者医療制度にも住所地特例を認めないと、市区町村をまたいでの介護は上手くいかない―「賢人論。」第8回おときた駿氏(中編)

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「賢人論。」第8回(中編)おときた駿さんは「後期高齢者医療制度にも住所地特例を認めないと、市区町村をまたいでの介護は上手くいかない」と語る

「野党なんだから、おかしいと思ったことにはどんどん声を挙げていかないと」と語る東京都議会議員のおときたさんが、政治家になろうと決心したきっかけに始まり、都議会議員の目に映る東京の介護行政の理想と現実、さらには地方創生が推進される国政の真意にまで言及。「抜本的な制度改革を」と唱えるおときたさんの政策的な着地点は“後期高齢者医療制度における住所地特例”だった!?

取材・文/安濃直樹(編集部) 撮影/伊原正浩

若い世代のコンセンサスをとるのが私の役目だと思っています

みんなの介護 そもそもおときたさんは、どうして政治家を志すようになったんですか?

おときた 一番の理由は…「女の子にモテたい」ということなんですけど…。

みんなの介護 そこですか(笑)?

おときた 話すと遠回りになるんですけど、いいですか(笑)?えーと、まず政治学的に言うと、女性が政権を取ったことは地球の歴史上いまだかつてありません。だいたいは男性が政権を握っていて、そのレールの上に女性が乗ることはあるんですが。そこで私は興味を持ったんですね。「女性が政権を取ったらどうなるんだろう?」って。そのためには、経済ではなく政治のルールを変えなくちゃいけない、というのが政治家になろうと思ったきっかけですね。

みんなの介護 そこから「モテる」には、どうつながるんでしょう?

おときた いきなり男性から女性に…というのは段階的に難しいと思ったので、まずは若者が政治を動かせる世の中になることを実現させて、そうしたら次は女性だろう、と。そうしてバトンを渡していける政治家になったら、例えば歴史の教科書なんかにも載るようになりますよね。「おときたから女性の政治社会が始まった」って。

私の目標は、40代で総理大臣になって、その後を女性にすることで歴史の教科書に載る。「あの時代から女性の権利が拡張したよね」と。死してなお評価される…つまり、歴史単位でモテる、ということですね。

みんなの介護 おときたさんは今32歳で、都議会議員に初当選した時は20代でした。その後、ブログやメディアでの発言が注目されるようになり、若者の目を政治に向けるという意味では、着々と階段を上っていますよね。

おときた 前にも言った通り、有権者の大半を高齢者が占めるようになって、若い人が声をあげないとズルズルと高齢者寄りの政策になっていってしまう、という危機感も大きいです。実は今、東京都議会議員の平均年齢が55歳くらいなんですが、これは衆議院議員の平均年齢よりも高いんですよ。東京都の人口構造から見れば、もっと若い人が中心になっていないといけないんですけど、国会議員より平均年齢が上という、結構いびつな構造になっているんです。

都議会議員というと、どうしても国会議員よりも注目度は低くなってしまいますし、だからある意味では「組織票」の選挙になってしまうんです。そうした組織票を持っているような、いわゆる“大物”の議員になると、いろいろなしがらみも多いですし、結局は議員が高齢者ばかりになってしまうんです。

みんなの介護 そうした都議会議員の中で、若手として気を吐いているわけですね。

おときた 例えばですけど、堀江(貴文)さんとかが世間からよく叩かれるじゃないですか。「あいつは金儲け主義だ」「弱者切り捨てだ」とか。でも、誰かが身を切る覚悟を持って痛みをともなうことをしないと、これからの社会がうまくまわらないことは、みんなわかっていることでしょう?そういう人を悪者にしないで、せめて若い世代は応援しないとダメじゃないかと思うんです。そうした若い世代のコンセンサスをとるのも、私の役目じゃないかと思っています。

「賢人論。」第8回(中編)おときた駿さんは「地方創生という言葉にどれだけ現実味があるのか?合理性があるようにはまったく思えない」と語る

地方創生は自民党が地方の票を確保するためのもの。政治的には極めて難しい政策

みんなの介護 40代で総理大臣に…という壮大な目標への道半ばということで今、東京都議会議員として活躍されているわけですが、都としての社会保障体制における現在の問題点は、どのあたりにあると見ていますか?

おときた 一番の問題は、急激に進む高齢化の問題でしょうね。東京はそもそも人口が多いですし、それはもうものすごいスピードで進むことは明らかです。今はまだかろうじて人口が増えている東京都ですが、早くも2020年には人口減少に転じると予測されています。今までは地方からの流入によって人口増を保っていたわけですけど、いよいよそれができなくなってきて、これからは老いてく一方になります。

戦後一貫して増え続けていたのが、いよいよマイナストレンドに転じ、生産年齢もこれから急激にガクガク減っていく。今はプライマリ・バランスも黒字ですし、財政も豊かなんですけど、高齢者人口が一気に増えたときに、各所で問題が噴出するでしょうね。

みんなの介護 東京都としての人口問題を考えたとき、ベストな方向性というのはどのようなものになるのでしょう?

おときた ベストなのは、若い人だけが増えることでしょうね。国の施策としても高齢者の地方移住を推進していますが、個人的にはそれは上手くいかないと思っています。

みんなの介護 日本版CCRC、ですね。

おときた 確かに、高齢者や支えられる側の人が地方に出ていって、働く人、若い人、支える側の人が東京にいるというのが、競争力としては一番強いとは思います。「東京は稼ぐところだ、面倒をみるところじゃない」という考え方ですね。ただし一方では、「都市部に住み慣れた人を追い出すとはどういう了見だ」という意見も当然ありますし、この政策は、政治的には極めて難しいと思っています。

みんなの介護 高齢者の地方移住と絡めて、「地方創生」という言葉もまた、今の日本で重要視されているキーワードのひとつですが。

おときた 私は以前、北海道の夕張市に視察に行ったんですが、夕張市というところは本当に、言葉を選ばずに言うと“終わっている”と感じたんですよね。燃えるゴミを回収したはいいけれど、燃やすお金がないから放っておこうと、というくらい。もちろん可能性はゼロではありませんが、そうした自治体はもう、残念ながら消えていく方が合理的なように思えます。その現状を見てしまうと、地方創生という言葉がどれだけ現実的なことなのか考えてしまいます。

みんなの介護 それでもなお、施策として推進されるのはナゼなのでしょう?

おときた 出て行ってもらう側の東京をはじめとした都市部としては、言うまでもなくコストダウンですよね。一方の受け入れる側としては、働く場所も提供すれば納税の対象者が増えるし、消費も活発になる…という期待。それが実現可能かどうかは置いておいて。ただ一番の目的というのは、自民党による「地方の票を確保すること」だと思います。

みんなの介護 いわゆる「一票の格差問題」でしょうか。

おときた その通りです。東京都民の票が5分の1くらいに薄まっている今、地方にある票の確保が、自民党にとっての大きな命題になっているわけです。そもそも地方にお金をばらまくという、戦後からずっとやってきたことが継続されている形で、地方創生自体に合理性はないと思っています。

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