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グリーンカードから垣間見るインドのグローバリズム

アメリカに来てそろそろ3年になる。相変わらず英語力は今ひとつなものの、勤め先からは戦力とみなしてもらい、グリーンカード取得のための支援をもらっている。先日、私のチームメンバーと私自身のグリーンカード申請の状況を確認するために人事部と打ち合わせをした。そこで新たな発見があり、考えるところがあったので共有させて頂きたい。

人事によると、私はEB1種類のグリーンカードを取得しようとしている、とのこと。EB1の特徴は、1)マネージャー職も含め、専門性が高い人のみ取得可能であり2)労働市場テストが必要でなく、申請手続き・期間がそれほどかからない、という点にある。
労働市場テストというのは私も馴染みがない言葉であったが、平たく言うと「アメリカの労働市場で同様の人材が採用できるかどうか」をテストし、 実際に「採用ができなかった」なら、海外の人材にグリーンカードを付与しましょう、というもの。即ち、アメリカで採用できる人がいる場合は、自国の労働市場から人材を調達しなさい、だけれども、代替人材の採用ができなければ仕方がないよね、という考え方。この労働市場テストのために、実際に新聞に求人広告をだして、書類選考・採用面接までするので、時間とお金と手間が非常にかかる。私は、労働市場テストをスキップできるので、順調に行けば来年の後半にはグリーンカードが取得できるだろう、とのことだった。

一方で、私のチームメンバーはインド生まれのインド人であり、彼はマネージャ職にないため、EB2というグリーンカードを申請している。幸いなことに彼は既に労働市場テストはパスしているため、最後の申請を残すのみとなっている。私より先にグリーンカードの手続きをし始めている彼の取得タイミングは私と同様、並びに少し遅いくらいかと思っていたが、それがとんでもない思い違いであることをこの人事との打ち合わせで知ることになる。何と、インド生まれの彼は後10年は少なくとも待たないといけない、とのこと。

インド、中国、フィリピン、メキシコの4カ国は申請者が多いため、別枠が設けられており、個別の枠毎に毎年発行するグリーンカードに制限がある。中でもインド枠は、発行数に対して申請者が圧倒的に多いため、長蛇の列ができており、10年近く待たなくてはならないとのことであった(もちろん状況は刻々と変化するが)。

アメリカという国に移り住み、同じように永住権を申請しようとしているが、生まれた国の違いということをもって、10年も取得期間に差がでるという事実にショックを覚えた。その一方で、インドという国の人々の外にでようとする力の強さにも衝撃を覚えた。米国企業の現地採用社員として様々な国籍の人と働く機会があるが、インド人は中でもやはり集団として異才を放っている。よりよい仕事・生活環境を求めて、国境をものともせず、自身の成功に向けて邁進する彼らの力強さを日々体感しているが、永住権取得の行列の長さを数字で示されると得心するところが大きい。日本の中だけで仕事をしていた時は「インドが住みにくいから、みんな他の国に行きたがるんじゃないの?」という穿った内向きな見方しか多分できなかっただろう。でも今は、自分の根を張る地面を探し求め、国境を超えることを厭わず、成功に向けてチャレンジを続ける層の厚さ、これこそがインドという国のグローバリズムであり、国としての強さなのだと感じる。

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