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小池新都知事の待機児童対策についての解説

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 東京都の子育て政策を決める有識者会議、東京都子供・子育て会議元委員の駒崎です。

 9月9日に小池知事は待機児童対策について記者会見にて発表をし、その後、官邸にて行われた国家戦略特区諮問会議において、政府要望を提出しました。

 これらの小池新知事の待機児童対策について、保育士であり現場の事業者、政府有識者会議委員、そして二児の父という立場から、分かりやすく解説したいと思います。

以下、主な施策を順を追って解説したいと思います。

◎開園時の開園工事費用(整備費)の上乗せ補助

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 保育園をつくる時、あるいは既存の建物をリフォームして保育園にする時には、当然お金がかかります。

これを整備費と言い、国から補助金が出ていました。ですが現在、特に東京ではオリンピック需要もあり、資材費や職人人権費が高騰し、もともとの補助金では足が出てしまう状況になっていました。

 開園時のコストが高くなれば、初期費用の回収が難しくなり、開園に足踏みすることになります。

そこで、東京都が上乗せをして、開園時の負担を下げようよ、という施策です。時勢に合わせた、妥当な政策と言えます。


◎賃貸物件を借りている保育所の家賃補助

 東京で物件を借りて保育所をしようと思っても、国の補助金(公定価格)の中の賃借料加算では足りません。例えば100平米くらいの商業物件を借りて小規模保育をしようと思っても、国の賃借料加算は25万円程度しか出ませんが、実際は23区で保育に適する耐震性を持つ1階物件だと、35万円〜45万円くらいです。がっつり足が出て、経営は苦しくなります。

 なぜ国は十分に払ってくれないかと言うと、東京23区の水準に合わせると、他の地域では過剰になってしまうからです。また、国としては「東京都はお金持っているんだから、補助上乗せしてよ」という気持ちもあるわけです。

 しかし、これまでは東京都は特に上乗せもしてこなかったので、物件を借りて保育園をする事業者は大変でしたが、それがある程度改善されるわけです。

 家賃負担が軽減されると、その分収益性は向上するので、開園数を増やす効果があるでしょう。

◎これまで採用5年縛りだった保育士寮の補助を全保育士に

 保育園を増やしていくのに最大のブレーキになっているのが、保育士不足です。その要因は保育士の低い給与だということは、再三再四指摘してきました。

 「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由

 http://www.komazaki.net/activity/2016/02/004774.html

 自民党が40年前に教師不足を解決した、ある方法

 http://www.komazaki.net/activity/2016/03/004782.html

 平均月給だいたい21万円前後の保育士にとって、都内で1人暮らしする時の家賃6〜8万円程度というのは、かなり重いものになります。彼女たちに社員寮を提供し、安く住まわせてあげられれば、実質所得は上がるわけなので、給与増と同じ効果になります。

 昨今の保育士不足を踏まえ、この社員寮の費用補助というものが数年前からつくられたのですが、対象が採用5年目以内の保育士たちでした。「保育園増やすために、新しく保育士が必要だよね?じゃあその新しく雇った保育士への寮費用は補助するね」という具合です。

 事業者にとってはありがたい反面、困ったことになりました。新しく保育士を雇う際には助かりますが、しかし元からいた保育士たちにとっては「なんで私たちは今まで頑張ってきたのに、昨日今日入ってきた人たちだけ、安く住めるのよ」ということになるわけです。

 新たなトラブルを回避するため、事業者は寮の導入を諦めるか、5年以上勤めている保育士たちにも、新人たちと同様に寮を安く提供しますが、こちらは自腹です。なので、自腹を切れるくらいの額しか、安くできません。寮費に差が出てはいけないので、新人もベテランに揃えます。そうすると、大幅に安くすることはできず、大きな効果はでていませんでした。

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 今回知事は対象を「すべての保育士」としたことで、この問題はクリアされるので、グッジョブです。独身単身保育士たちの実質所得は向上するでしょう。一方で、実家に住んでいたり、配偶者と子どもたちと住んでいる保育士たちは寮には入れないので、恩恵は得られません。また、予算の都合上、自治体ごとに「1園あたり◎人まで」というような制限も出てくるので、本当にすべての保育従事者にはならないでしょう。

◎都有地活用のための横断組織と外部窓口創設

 杉並区の公園保育園反対運動に見られるように、都内で保育園に適する土地や物件を見つけるのは相当難しい状態です。よって都有地を有効に活用できれば、保育園を広げていくのにおおいに有効です。

 しかしこれまで都有地がどれだけあるのか、その中で保育園に使えるものがどれだけあるのか、はブラックボックスの中でした。当然、僕たち事業者が「品川区に都有地ありませんか?こういう保育園をつくりたいのです」と都庁に言っても「誰きみ?知らんがな」の一言で終了でした。

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 そこで、都有地活用のための横断組織をつくり、「とうきょう保育ほうれんそう」という窓口を設けて、事業者からの物件照会や提案も受け付けよう、という施策をすることにしました。

 物件検索に苦労する事業者にとっては、かなり良い話です。

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