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どのタイミングで与える?子どもの将来を左右するひとり部屋 - 三浦玲華

外国の映画を見ていて、赤ちゃんにも部屋が与えられ、ひとりで寝起きをしていることに驚いた人も多いのではないでしょうか。日本ではそうした習慣はほとんどなく、小学校入学前に自分の部屋が与えられるのはほんのひと握り。部屋をもっている小学生でも寝起きは保護者と一緒という家庭が多いようです。

最近ではリビングで勉強する方が、能率が上がるといった報告もあり、ひとりの子ども部屋をどのタイミングで与えるのがいいのか、悩んでいる保護者も少なくないでしょう。

そこで今回は、ひとり部屋について考えてみましょう。

子ども部屋を与えることは責任を与えること

欧米などでは生まれてくる前から子ども部屋が用意されることがほとんどですが、これは子どもの自立を早く促すという意味があるようです。個人主義の風潮が強い欧米では当たり前のようですが、日本では欧米ほどそうしたスタイルは浸透していません。

しかし、実際に子ども部屋は単純に勉強するため、あるいは寝るためだけの部屋ではありません。子どもは幼稚園や保育園に入った頃から、ひとりの個人として社会の中で自分の居場所を見つけていきます。親の保護の元にずっといるのではなく、ひとりで他人と関わっていかなくてはならないのです。

子ども部屋はその基礎を養っていく場所でもあります。部屋を与えられ、その管理を任されることで自立心や自覚を育んでいくという側面もあるのです。

自分の大切なものに気づくと他人も大切にできる

また、自分の部屋は他人を大切にすることに気づく場所でもあります。

子どもがおもちゃの取り合いをするのはよく見ることですが、これは「自分のもの」という意識が強くなったときに多く現れるものです。両方が、もしくは片方が「自分のおもちゃ」という意識が強い場合にこうしたケンカが見られるのです。

これは子どもに「自分のもの」と「他人のもの」というような区別がつきだしたあかしです。通常は1~2歳前後になるとこの“所有意識”が芽生えてくるとされています。

ひとり部屋を与えられた子どもはそこを「自分の部屋」と認識します。大切な自分の居場所であり、自分の大切なものを置いていいスペースとなるのです。

こうして「自分のもの」への意識が強くなるのと同時に、「他人のもの」への意識も生まれてきます。他人にも「大切な自分のもの」があるのだという意識です。

自分のものを大切にすることによって、他人にも大切なものがあることに気づいていきます。自分の部屋を与えられるということは、そんなきっかけにもなってくれるのです。

まずはリビングの一角を与えることから始めよう

ただ、部屋を与えられることは良いことばかりではありません。不安を感じる場合もあります。自分に自信がもてない子どもはそうした反応を先に見せます。

そのため、大きなひとり部屋をいきなり与えるのではなく、まずリビングの一角を子どものスペースとして与えることがおすすめです。大切な宝物を置いたり、おもちゃを片付けたり、といった小さな管理から任せてみましょう。

こうした小さな責任を積み重ねることで、大きな自信につなげていくことができるでしょう。

健全な成長のためにはルールづくりが肝心

部屋を子どもに与えることで気をつけなくてはならないのは、「自分の部屋だから勝手にしていい」という気持ちが芽生えることです。「自分の部屋だから片付けなくていい」「部屋の中で何をしてもいい」と思ってしまいがちなのです。

小学高学年や中学生で起きるひきこもりや非行、ひとりで悩みがちになる、などの現象はこうした意識が引き金となっている場合もあります。

そこで重要なのは、「自分の部屋は自由な場所ではない」ということを、部屋を与えたときから教えておくことです。家族で暮らす家の中の一室を与えられているだけで、自由にしていいわけではない、という考え方です。

そのためは最初にルールを決めておくことが重要です。「部屋を片付け、きれいに使うこと」はもちろん、「学校から帰ってきたらすぐに部屋に入らない」、「インターネットやLINEは部屋の中でしない」、「部屋に携帯電話を持ち込まない」、「勉強をするとき以外は夜10時には寝る」、「夕食は家族で食べる」などです。

子どもが健全に育つように、成長するにつれて家族で相談しながらこうしたルールをつくっていきましょう。

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