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人事「あなたをモノでたとえると?」――質問する会社も、自分を「潤滑油」にたとえる学生も、どっちも何考えてるの?

日本の面接って、何とも予定調和というか、相手と自分にとって耳障りがいいものをあらかじめ想定しておいて、それを本番で録音テープみたいに垂れ流すようなものだと思っている。

たとえそれが核心を突いていても、「出る杭は打つ」精神で減点対象になってしまうこともあるので、突飛なことはなかなか言えない。だから学生たちは、自分の長所を「私は協調性があり、誰とでも仲の良い関係を構築することができます」なんて、誰が聞いても恥ずかしくなるようなことばかり言う。

面接する側もされる側も、いつまでこんな予定調和の茶番を続けるのか。(文:松本ミゾレ)

そもそも潤滑油を見たことない学生も「潤滑油」と答えているのでは

さて、現在の面接と言えば、学生たちに色々と質問をしても、返ってくる答えがワンパターンというケースも多いようだ。「マイナビ学生の窓口」が4月に掲載した記事によると、社会人1~3年目の男女約400人に「『あなたを物に例えると何ですか?』という質問に『潤滑油です』と答えた経験はありますか?」と聞いた所、9.4%の人が「ある」と回答したという。

潤滑油のような人物とは、恐らく周囲との協調性を有し、波風立てず誰とでも連携をして仕事ができる人物のことを指すんだろう。たしかに、職場にこういう人が1人いれば助かることもありそうだけど、潤滑油のような人物って主体性がない存在に思える。

ただし「潤滑油です」と答えてしまった若者にしたって、本気で自分にそんな役割がふさわしいと思っている者は少ないはず。「こう答えておけば無難だろう」と思って答えているだけに違いない。

そもそも、「潤滑油」なんて普段めったに口に出さない。潤滑油自体見たことがない若者が、「潤滑油です」と答えているパターンだって、絶対あるはずだ。

面接の目的は、予定調和の答えを得ることではないはず

それにしても、入社を希望する若者に対して、「あなたをモノに」なんて質問、それほど大事だろうか?こんなことを聞くよりも、もっと色々と聞けることってあるような気がする。

だけど、こういう質問を実際にしている企業は多いようだ。大方、「他所もやってるみたいだし、ウチもやっとくか」ぐらいのもんだろう。面接ってのは、とんち合戦でも大喜利でもないんだから、いちいちこういう質問で若者に余計な知恵を絞らせる意味はない。

就活の面接って、筆記試験と併せて、入社希望者の話しぶりや、挙動におかしなところがないかを見抜くためには、絶対に欠かせないものだと思う。

そういう意味で面接というのは、最低限社会人としての素養が備わっているかどうかを、いかに短時間で見抜くか、ということになる。それだけ大切な時間なんだから、相手をモノでたとえさせたりするような質疑応答なんて程々で切り上げて、もっと対話をする時間を1分でも2分でも確保したほうがいい。

面接での質問についてはシミュレートできても、生の会話の内容までは予測できない。会話が円滑にできる若者、用意された言葉しか上手く使えない若者。その違いは対話をしたときにこそ浮き立つ。

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