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日本新聞協会賞とピューリッツアー賞

今年度の新聞協会賞が発表され、NHKの「天皇陛下「生前退位」の意向のスクープ」などが受賞した。今回のNHKの報道は、多くの人が知らないままに綿密な準備をもって進められ、報道をきっかけに世論が大きく動き、さまざまな議論が起こったという意味で、受賞にふさわしいものと言えるだろう。

今回のスクープが報じられたのは午後7時のニュースだが、ある新聞の方の話では、その日、NHKの記者の方は、少し前から局に集まり、情報がもれないようにしたのだという。また、新聞協会賞は、「報道された方向に世の中が動いた」場合に受賞しやすい、ということだった。

新聞やテレビなどのマスメディアのあり方が議論されて久しい。問題点がある一方で、今回のようなすぐれた報道は注目され、顕彰されることが報道の質を高めることは間違いない。その意味で、新聞協会賞は一定の働きを果たしており、今後のさらなる充実を期待したい。

ところで、マスメディアが対象の賞としては、米国にピューリッツアー賞がある。新聞協会賞と比較すると、共通点と、相違点があって、面白い。日米のメディアの置かれた状況の違いも、浮き彫りにされてくる。

ピューリッツアー賞を運営するのはコロンビア大学ジャーナリズム大学院である。選考は、メディア関係者、及びジャーナリズム、文学などのの研究者である。一方、新聞協会賞は、委員会による選考で、http://www.pressnet.or.jp/about/commendation/kyoukai/ … 基本的な構成は似ている。

ピューリッツアー賞は、賞金の基金を出したハンガリー系アメリカ人の新聞経営者、ジョセフ・ピュリッツァー氏にちなんだ賞である。ピュリッツァー氏は、コロンビアい大学に世界初のジャーナリズム大学院を創ろうと動いた人でもある。(実際の開設は、ミーズリ大学に先を越された。)

このように見てくると、新聞協会賞に比べて、ピューリッツアー賞は、それが個人の遺志にもとづいていることと、大学のジャーナリズム学科の充実と結びついていることが特徴と言える。一方、新聞協会賞は、個を立てない、組織中心で、アカデミズムとの結びつきは直接ないということになる。

新聞協会賞を受ける日本のマスメディアの仕事は、すぐれた調査報道、スクープもあり、良質のものである。新聞協会賞がさらに発展するためには、ピューリッツアー賞の持つ以上のような特徴を参考にするのがいいのではないか。それは、日本のジャーナリズム自体のあり方と関わっている。

「新聞協会賞」に関する規定|表彰事業|日本新聞協会について|日本新聞協会

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