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「18歳選挙権」と「若者と政治」をめぐる大学生たちの本音

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公職選挙法の改正に伴う「18歳選挙権」の実現により、7月の参院選挙では、「若者と政治」というイシューが注目を集めた。こうした状況について、当事者である「若者」はどのように感じているのだろうか。原田謙介氏(YouthCreate)の司会の進行で、6人の大学生に、政治と選挙についての率直な思いを語り合ってもらった。(構成:BLOGOS編集部)

BLOGOS編集部
<司会>
原田謙介氏(YouthCreate)

<参加者>
田中渉悟さん(早稲田大学社会科学部)
松浦禎也さん(早稲田大学政治経済学部)
川合碧さん (早稲田大学法学部)
町田優衣さん (早稲田大学法学部)
塚田航平さん(慶應義塾大学法学部)
菅将大さん(東洋大学社会学部)


「自民じゃダメな理由が見つからない」

原田:7月の参議院選挙では「18歳選挙権」の実現に伴い、高校生が非常に注目されました。しかし、18〜19歳の大学生、あるいは20歳を超えた人の中にも、「今回が初めての選挙」という人も多いでしょう。なので、今日はそうした年代の大学生の皆さんに集まってもらって、ざっくばらんに話を聞いていこうと思います。

まず選挙に行ったかどうか。行った理由、あるいは行かなかった理由を教えてください。

BLOGOS編集部
田中:僕は早稲田大学の大隈塾に参加しています。大隈塾は田原総一朗さんが塾頭を務めている授業で、政治家や企業の社長がリーダーシップについて講義をしてくれます。そこから派生したゼミの活動の中で、「若者と政治家」というテーマでイベントを開催したということもあり、「せっかくだから、自分も投票してみようかな」と考えて、今回投票しました。

今年で23歳なので、2年前の衆議院選挙の時にも投票権があったのですが、その時は「どこに投票したらいいのか分からない」「自分が投票したところで何か変わるのか」という思いがあり、結局投票しませんでした。せっかくの権利を使わなかったという後悔もあったので、今回投票したことによって、やはり「自分なりに考えて投票する」というプロセスが大事だということに気がつきました。

菅: 僕は今回の選挙には行きませんでした。行こうとは思ったのですが、投票所の場所がわからなくて。なので、もう少し町中に「投票所はこちら」といったポスターを貼って欲しいなと思います。投票案内状が届いたかどうかも、郵便を見ないのでわからないですね。

町田:当日、家で何もやることがなかったこともあり、選挙に行きました。実家から投票所がとても近いので、行かない理由がありませんでした。

塚田:投票に行きました。僕自身、初めての選挙だったのですが、行った理由というのは難しくて。「選挙は行くものだ」という前提が自分にあったので、特に考えずに行きました。

松浦:僕も先程の田中さんと同じで、大隈塾に所属しています。

ただ、そういう活動していながらも僕は選挙には行きませんでした。何故かというと、投票案内状を確認できなかったんです。母親に聞いたら「届いてないよ」と言われて。その後、特に確認することもなく、選挙の3日前ぐらいから北陸に行く用事があって、「期日前投票をしないといけないな」と思いつつも、結局できずに終わってしまいました。

BLOGOS編集部
川合:私は19歳で、今は寮に住んでいます。なので、不在者投票をしようと思って、実家の親に連絡をしました。その時は、すごいやる気があって、「投票するぞ」と意気込んでいたんですけど、他に優先すべきことも多いので、結局ギリギリになって、「誰に投票しよう」と悩んで、しっかり考えることもできないまま、一応投票したという感じです。

原田:もし差し支えなければ、投票した人は、誰に、もしくはどの政党に投票したか教えてもらえますか。

町田:私は自民党に投票しました。理由は、消去法ですね。自民じゃダメな理由がないから、「そのままでいいのかな」っていう感じで投票しました。民進党や他の政党に入れたい理由もなかったですし。

塚田:僕も自民党で、中川(雅治)さんに投票しました。同じような理由で、他に特にないし、「この中なら与党に入れとこう」みたいな考えでしたね。

川合:私も自民に投票しました。理由も2人とほとんど同じで、他に入れるところがなかったからです。今の生活に満足していないわけじゃないですし、困っていることもない。逆に生活を変えることに対しての抵抗の方が強いので、与党に入れました。

田中:僕は民進党の候補者に入れました。理由は2つあります。

自民党は外交や安全保障で成果を出している一方で、経済でアベノミクスが行き詰まっているんじゃないかと感じています。結果として、「絶対自民が勝つだろう」と思いつつも、二大政党制で、幅広い民意の受け皿として民進党にも機能して欲しいという気持ちがあったことが理由のひとつです。

もう1つは、候補者がすごく魅力的だったからです。僕の選挙区は岡山県で、候補者として民進党の黒石健太郎さんと、自民党の小野田紀美さんがいました。小野田さんは、東京の区議会から国政に挑戦するという、いわば政治家としての王道を歩んでらっしゃる方なのですが、黒石さんはベンチャー企業の社長出身なんです。経営のノウハウやIT、IoTといった新しい技術を政治に取り入れようという黒石さんの理念や志に共感したので、民進党に投票しました。

原田:行けなかったお2人も、もしも入れるとしたら、ここに入れようかなと思っていた候補や政党はありますか?

菅:多分、僕は民進党かな。選挙期間中に出ていたYoutubeの広告の中で、「世界の大学の中で日本の教育費が一番多い」みたいなメッセージを流しているのを見たんですね。その時に「確かにそうだな」と感じたんです。「自分が一番得をするところはどこか」という観点から、「大学の学費のことを考えてくれることにしよう」という理由で民進党を選んだだろうと思います。

松浦:僕は多分、自民党かなと思います。父親と選挙の話をしていて、「どんなところに入れればいいんだろう?」と聞いたところ、「政党じゃなくて、人を見たほうがいいんじゃないか」と言われたんです。だから、自民党とか民進党とかではなくて、自分が「いいな」と思った人に投票したと思うので、今回の自分の選挙区では自民党に入れたと思います。

憲法が争点だとは感じなかった

原田:今回、メディア上では「憲法が争点」といった話もされていましたが、投票先を決める時に、憲法のことを気にした人はいますか?

町田:私は自民党に投票しましたが、以前話題になった自民党の改憲の草案を読んで「さすがに、これどうなの?」と疑問を感じています。でも、最終的に国民投票することを考えて、「その部分はちょっと認められないけど、それでも自民かな」と判断しました。考慮はしましたが、憲法へのスタンスだけで投票先を判断したわけではありません。

松浦:僕は民進党のプロモーションの仕方があまり好きになれませんでした。「まずは3分の2を取らせない」という打ち出し方が好きじゃなくて。もうちょっと別のところで、対立軸を出して欲しかったなというのが正直なところです。

田中:確かに憲法が争点になっていたといった報道がされていましたが、僕は違うのかなと思います。

政治に関心がある人は、公明党が改憲に自民党ほど前向きじゃないとか民進党の中にも改憲派がいるということを情報として知っています。与野党内でも完全に一枚岩ではない中で、憲法をテーマにしたところで、ちょっと違うんだろうなと。

ただ知らない人からすれば、「民進党が3分の2取らせない」って言ったりしたら「今ちょっとヤバイのかな」と思って、憲法が争点になってしまう部分もあると思うんですよね。

原田:確かに野党側は、「3分の2を取らせない」とアピールしていましたね。ただ、どこかの地方新聞が選挙期間中に駅前で「3分の2って何の話か分かりますか?」と調査したところ、7割ぐらいの人は、「なんのことかわからない」と回答したという話もあります。なので、実は「3分の2」ということだけだと、そんなに浸透していなかった可能性もありますね。

憲法以外に、みなさんが興味を持った、大事にしたという政策はありますか。

BLOGOS編集部
塚田:自分のおじいちゃん、おばあちゃんと社会保障について話したことがあったので、社会保障に興味がありました。社会保障の全体像や、個別の保育や介護の問題については候補者を選ぶ際に意識しました。

町田:私は、「女性の社会進出」といったテーマを意識してマニフェストを読んだのですが、どこの政党も同じようなことを主張していたので、いまいち差が分からなくて。どの政党も、このテーマに取り組んでくれるなら、「どこに入れても一緒かな」ということで決め手にはなりませんでした。

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