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20~30年の間には、日本の財政は間違いなく破綻する。今からでも備えられるんだから、安心してください - 「賢人論。」第20回(前編)鈴木寛氏

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「賢人論。」第20回(前編)鈴木寛さんは「20~30年の間には、日本の財政は間違いなく破綻する。今からでも備えられるんだから、安心してください」と語る。

スズカンこと鈴木寛(本名はすずきひろし)。東京大学や慶応大学で教授として教鞭をとりつつ、一方では日本サッカー協会理事として、はたまた文部科学大臣補佐官として…と、オールマイティーに活躍する、日本を代表する社会学者である。様々な“顔”をもつスズカン先生に、今回は学者としてインタビュー。現状の社会保障体制が抱える問題点について、またその解決につなげるための根本的な考え方について話を聞いた。

取材・文/安濃直樹(編集部) 撮影/公家勇人

破綻のシミュレーションをする。そして再建のプログラムをデザインする。それが“備える”ということ

みんなの介護 様々な分野で活躍している鈴木さんですが、今回は学者・スズカンとして話を伺いたいと思います。先生の目から見て、現状の、そして未来の社会保障はどのように見えていますか?

鈴木 まず全体を見渡して言うことがあるとすれば、「すべての社会保障を守ることは、もうできない」ということですね。それくらいの現状認識というか、危機感をもった方が良いというのが、私のメインメッセージです。

みんなの介護 社会保障…ひいては日本財政が逼迫しているという話は方方から聞こえてきますが、それに対する危機感が足りない、と。

鈴木 私が教壇に立っている大学の、あるいは私のいろんな勉強会に来てくれる高校生や大学生たちには、毎日のように言っているんですよ。「君たちが50歳くらいになる頃までには、つまり20~30年の間には間違いなく財政は破綻するから、安心しなさい」と。僕の予言は必ず当たるから、その日のために今から備えられるんだから、安心しなさい、と。

みんなの介護 “備える”とは?

鈴木 破綻する…と言っても、いきなりゼロになるわけではありません。だから、ただ「破綻する」という言葉のインパクトによって思考停止せず、何が9割残って、何が7割残って、何が5割しか残らないのか…ということを予想して、備えることです。

私の大学のゼミでは10年前から同じことを言っていて、当時のゼミ長は私の教えを守ってギリシャに行きましたよ。「君はその目で破綻した後のギリシャを見てきなさい。何が壊れ、何が残っているのかを見定めてきなさい」と。例えばゴミ収集車が来ない…とか、そんな話なんですが、そういったことが具体的にわかるわけです。そういうことを今からちゃんと勉強して、それを日本にあてはめて、一つひとつ分析して、破綻のシミュレーションをする。そして再建のプログラムをデザインする。それが“備える”ということです。

みんなの介護 いったん壊れて、そこから再建する…という道は、過去にも日本が通ってきた道ですよね。

鈴木 そう。創造的破壊です。我が国の歴史はまさに戦後もそうだったわけです。要するに、悪循環を止められなかった世代が、敗戦を迎え、そしてパージ(=追放)される。そして、若い世代が一挙に責任を担うことになって、少なくとも50~60年の奇跡の大経済成長をしたわけですよね。

明治維新も同じことで、悪循環のパラダイムを若い世代が作り直したと。このようなことが、これから20~30年のうちに必ず起こります。そのXデーに向けて、今から準備をしなければいけません。

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