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職場いじめ、米国では75%が経験 有効な対策は?

Christine Comaford ,CONTRIBUTOR

職場いじめは恐ろしいほどよくあることだ。職場にも大きな損害をもたらす。ある調査によれば、働く米国人の75%近くが、いじめの「被害に遭った」、あるいは「目撃した」経験がある。

職場いじめは一人、または複数の従業員によって繰り返される問題であり、標的となった人たちの健康に被害をもたらす。この問題の解決を目指す米国の組織、「ワークプレース・ブリーイング・インスティテュート(WBI)」によると、職場でのいじめは脅迫、威嚇、恥をかかせる、仕事を妨害するなど、まるで虐待のようなものだといえる。

学校でのいじめとの大きな違いの一つは、身体的に危害を加えるものではなく言葉によるものや、精神的に虐待するものだという点だ。WBIによれば、職場でのいじめはセクシャル・ハラスメントや人種差別の4倍も多くみられる問題だという。

職場いじめがもたらす「害」

職場いじめは多くの場合、標的にされるのは学校でのいじめと同様、「一人でいることが好きな人」や「変わり者」、「周囲になじまない人」だと誤解されている。だが、実際にはこれらと逆のタイプが標的になることが多い。より高い技能を身に付け、優れた技術を持ち、EQ(心の知能指数)が高く、他の人たちから好かれている、といった人がいじめられやすい。また、勤続年数が長く業務に熟達した人で、新人の教育にあたる人が標的にされることもよくある。

いじめる側には、他人を操ったり、コントロールしたりすることに長けた人、全てを「競争」だと考える人が多いとみられている。こうした人たちが、自分が「実力ではかなわない」と分かっている人をいじめる対象にするのだ。他の人たちの悪口を言ったり、非難したりすることに力を注いだりすることで周囲の人に、自分には能力があるとの印象を持たせようとする。

組織のリーダーがこうしたいじめを放置しておくと、次のような問題が発生する。いずれも、従業員の働きぶりを低下させるものだ。

・標的にされた人は多くの場合に自信をなくし、ストレスをため、健康に問題を抱えるようになる。

・いじめが続くことを黙認すれば、有害な文化を受け入れることになる。職場の士気も低下し、いじめを目にしてきたその他の従業員たちは、いじめに加担するか、仕事を辞めるか、声を上げることで報復を受ける危険を冒すか、あるいは標的にされないためにただ黙って何もせずにいるか、という選択を強いられる。

・いじめられた人は最終的に、辞職せざるを得なくなる。調査結果では、いじめの標的にされた人の圧倒的多数が、自らその職場を去っていることが確認されている。

・こうしたいじめのサイクルがほぼ確実に、延々と続いていくことになる。
・経営者が告訴される可能性が生じる。厳密に言えば、いじめは違法行為ではない。だが、そうした行為にあたる何らかの「ハラスメント(嫌がらせ)」や「差別」に該当する場合もある。

「スマートな環境」づくりの効果

職場いじめは、従業員それぞれが組織の定める規則に従って就労する中で起こるものであり、いじめと特定することが難しい。だが、これは同時に、問題の解決策は組織の構造の中にあるということでもある。

チーム全体のために、安全で健全な環境、「スマート(賢明)な状態」をつくれるかどうかは、経営者次第だ。そして、その実現のための第一歩は、いじめを行っている従業員から直接話を聞くことだ。まずは、いじめている人が脅威を感じる対象を、標的となっている従業員ではなく組織そのものに変えるよう努めるのだ。

また、いじめている人たちが自らの行動の結果をコントロールできるようにする。つまり、なんらかの具体的な方法を示し、彼らの「技能」をチームにとっての「資産」に変える。それが不可能ならば、この人たちには辞職してもらうほかない。

職場の文化に関する最善の方法は、「スマートな状態」のために従業員が取った行動に報い、同時にいじめにあたる行動を阻止したり、罰したりする仕組みをつくることだ。そのためにはまず組織の側が、いじめに関する報告についての守秘義務を報告者に対して保証する必要がある。いじめている従業員から報復を受けることがないよう保証する必要もある。

問題解決を重視する組織構造の構築、明確で公正な成績評価の基準の設定が、いじめ問題の改善に大きな役割を果たすだろう。これらを実現するためには具体に、以下のような対策の実施が考えられる。

・アイデアやイノベーションへの褒賞。

・リーダーに対し、安全性やその他の問題を報告するなどした従業員への褒賞。

・ 仕事の進行を妨げている「ボトルネック(障壁)」を単なるワークフローの問題として特定。誰かのせいだと考えたり、非難したりすることがないようにする。

・企業内ネットワークを構築し、従業員らが互いに喜びを分かちあったり、互いの貢献を認識したりできるようにする。

・組織の側が公正で客観的な基準によって評価を行っていることを明確に示し、目標の実現を褒賞する。

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