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朝4時、なぜ最も生産的な時間なのか?

By HILARY POTKEWITZ

 午前4時に起きる人の大半は、必要に迫られてそうしている。農家、客室乗務員、為替トレーダー、郵便局員などだ。だが、好きこのんで夜明け前に起きる人たちもいる。

 グラフィックデザイン会社、デザイン・ピックルの創業者であるラス・ペリーさん(33)は、午前4時から6時までの2時間が「1日の中で最も計画的かつ整然とし、予定もしっかりした時間だ」と語る。「この時間が1日を左右する」

 ペリーさんいわく、結婚して子供が増えるたびに、せわしない日常を乗り切るために起きる時間が早くなっていった。2015年に3人目の娘が誕生したときには、目覚まし時計を午前4時にセットするようになったという。

電子メールの功罪

 起きて最初にするのは、祈ることだ。「わたしはキリスト教徒だ。たわいもないことについて神に感謝するのだが、自分にとってはペップトーク(気合を入れるようなもの)だ」とペリーさんは語る。

 次に電子メールに目を通し、仕事の財務処理をしたりしてから、ジムに行く。6時半に家に戻り、スムージーを作っていると、娘が1人起きてくる。「ここで独りの時間は終わる」

早朝スタートのメリットを強調する企業幹部は少なくない
早朝スタートのメリットを強調する企業幹部は少なくない
Illustration: Thomas Pitilli for the Wall Street Journal


 生産性を研究する専門家は、朝一番に電子メールに対応すると、つまらない作業に精神力が浪費されると指摘する。ペリーさんも、それは承知の上だ。にもかかわらず早朝にまずメールに目を通すのは、受信箱を空にすると不安が抑えられるからだ。「皆に一歩先んじたような気分になる」のだという。

 早起きの代償はある。夜10時までには疲れ果て、アイマスクと耳栓をしてベッドに入ってしまう。一方、妻のミカさんは夜型人間だ。ただ、ペリーさんは自分が何かを諦めているようには感じていないと話す。「起きていても、どのみちテレビを見るか、パソコンで頭を使わない作業をするかのどちらかだ」

 早朝スタートのメリットを強調する企業幹部は少なくない。米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、オフィスに最初に来て最後に帰ることで知られているが、彼の1日は午前3時45分に始まる。また元金融業界の幹部で、女性の投資をサポートする「Ellevest」を立ち上げたサリー・クローチェックCEOは「私にとって、1日で午前4時ほど生産性が高くなる時間はない」と書いている。

 企業幹部ではないが早起きの人は、必ずしも仕事中毒とは限らない。彼らはテクノロジーやソーシャルメディアによって気がそらされるのを避けたいと考えている。在宅で仕事をしている人は、他の用事が入ってくる前に、スムーズに1日を始めたいと思っている。中には孤独で静かな環境を求める人もいる。

気を散らせる地雷排除

 調査会社ニューロリーダーシップ・インスティチュートの調査責任者、ジョシュ・デービス博士は、「落ち着いた静かな状況で、自分の注意を引こうとする人に気を取られない状態であれば、効率性は劇的に向上し、重要な仕事を終えることができる」と話す。

 デービス博士によると、生産性を阻害する最もわかりやすい要因の1つは、オフィスには気を散らせるものが地雷のように多く仕掛けられていることだ。例えば散らかった机、電子メールのポップアップ通知、携帯電話、フェイスブック、ニュースフィードなどだ。

 同博士は、「午前4時に起きることで、こうした邪魔の多くを一掃できる。午前4時に電子メールへの返信や、電話に出ることを期待する人はいない。フェイスブックに投稿する人もいない。自分の中の誘惑も、外部の誘惑も排除できる」と述べる。

 ニューヨーク市在住の起業家ピーター・シャンクマンさん(44)は通常、午前4時過ぎにベッドから出る。週に2回は、まだ暗い中、友人と一緒にロウアー・マンハッタン周辺を10マイル(約16キロ)走る。

 街中の道路はたいてい人影もないため、考え事をしながら走れる。シャンクマンさんは「人をよけたり、自分を追い抜こうとする人を気にしたりしなければならないと、アイデアは浮かんでこない」と話す。

 午前7時までには、シャワーも食事も水分補給も終えて机に向かい、メールに返信したり、文章を書いたり、ポッドキャストの作業に取り組んだりしている。

 一方で、夜は8時30分までにベッドに入る。「疲れてしまうのだが、それは良い意味でだ。夜の10時半にアイスクリームを大量に食べるなど、ばかげたことをするエネルギーがないということだ」と話す。1日を早くスタートさせることで、3歳の娘に朝食のオムレツを作ってあげる時間もできるという。

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