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コンドリーサ・ライスが8歳の頃、友達の少女がKKKによって殺されたこと。

 「私たちのつぎはぎ細工の遺産は強みであって、弱みではない。私たちは、あらゆる言語や文化で形作られ、地球上のあらゆる場所から集まっている」。これはオバマ大統領の二〇〇九年の就任演説の一節である。アメリカにおける民族の多様性がアメリカという国家にとって一つの「強み」に展開した、また民族差別(「人種=マイノリティ差別」)が消滅した、あるいは消滅の方向が決定的であるという宣言である。

 しかし、バーニー・サンダースが「この国では人種的偏見の根絶の道のりはまだまだ遠い」(サンダースHP、issues)としているのがアメリカの実情であろう。たしかにオバマが大統領になったことは、人種的偏見(レーシズム)を解消する動きが一歩進んだことを意味しているが、それは同時にアメリカが名実ともに「多民族帝国」というべきもの、より正確には「多頭民族帝国」になったことの表現でもある。それはブッシュ(子)政権においてコリン・パウエルとコンドリーサ・ライスの二人のアフリカン・アメリカンが続けて国務長官となり(おのおの二〇〇一年~二〇〇五年、二〇〇五年~二〇〇九年の在任)、中東戦争を主導したことの直接の延長線上に生まれた事態なのである。

 ライスはアラバマ州バーミンハムの豊かな牧師と教師を親とし、縁の深い知人の縁戚にコリン・パウエルがおり、恩師はパウエルの前の国務長官マデレーン・オルブライトの父親という経歴の女性である。彼女は「両親の励ましがあったおかげで、大統領になることだって可能だということにわたしは何の疑いももっていませんでした」と子供時代について語っている。しかし、バーミンハムは一九六〇年代初頭の南部における公民権運動の最大の衝突地であった。それが、彼女にとっても深刻な経験であったろうことは、八歳のころ、一九六三年九月、公民権運動の関係者も多かったバーミンハムの一六番街バプティスト教会に対して、南部のレーシスト犯罪集団、クー・クラックス・クラン(K・K・K)が時限爆弾を設置し、何の関係もないライスの友人など四人の少女が殺害されたことからわかる(この教会については公民権運動史跡巡り8を参照。http://www2.netdoor.com/~takano/civil_rights/civil_14.html)。
 
 この1963年は公民権運動の真っ最中でバーミンハムは、その中心地。少女たちの死をいたむミサにはキング牧師が説教をしている。しかし、南部の狂気はさらに続き、11月にはダラスでケネディが暗殺された。

 「多頭民族帝国」という規定が正しいかどうかは別として、オバマの動きが大きな意味があることは否定できないが、その意味を考え、歴史に位置づけるためには、どうしても、あの時代まで戻らなければならない。

 下記はウィキペディアより。
 
 
^ 2000年12月18日付の New York Times の記事、“The 43rd President; Rice on Power And Democracy” に引用された、ライスが1999年1月15日に Los Angeles World Affairs Council で行ったスピーチの一節。 (“...The Civil Rights Act passed 10 years later. Birmingham was a violent place in 1963-64; I lost a little friend in that church bombing in 1964, at Sixteenth Street Baptist Church. But our parents really did have us convinced that you couldn't have a hamburger at Woolworth's but you could be president of the United States...”)
^ www.racematters.org "A Lesson from Condoleezza Rice" by Derrick Z. Jackson,

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