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夏休み明け 子どもの自殺防げ

過去40年で「9月1日」が最多
フリースクール全国ネットワークに聞く

悩んでいる子どもたちの力になりたいと話す中村理事、松島事務局長
悩んでいる子どもたちの力になりたいと話す中村理事(右)、松島事務局長

多くの学校で夏休み明けとなる9月1日は、子どもの自殺が1年で最も多い。この痛ましい実態を転換しようと、全国のフリースクールなど91団体が加盟するNPO法人・フリースクール全国ネットワークは10日から、自殺防止に向けた活動に取り組んでいる。子どもの命を守るために何が必要か。同ネットワークの中村尊理事と松島裕之事務局長に聞いた。

学校は休んでもいい  多様な学び方、居場所知って

駆け込み場情報やメッセージを発信

―自殺防止に向けた取り組みとは。

中村理事 まず、休み明けに自宅を出たものの、学校に行きたくないという子どもを緊急的に受け入れる“駆け込み場”としてフリースクールなどを開放し、全国の開設情報をホームページ(HP)で紹介する【別掲】。また、加盟団体を通じて、過去に自殺を思いとどまった人や、著名人からのメッセージを集めてHPで発信する。さらに、加盟団体が独自で行っている相談事業などの事例を団体間で共有していく。

―メッセージを発信する狙いは。

中村 自殺を踏みとどまれる環境があることを知ってほしい。フリースクールは、いじめや人間関係などさまざまな理由で学校に通えない子が来る。死にたいと考えていたが、今は元気に過ごしている子もいる。そうした子どもの声を通して、家や学校以外に自分を受け入れる居場所があるということを伝えたい。

―休み明けに追い詰められてしまう子どもの心の状態とは。

松島事務局長 私は小学4年の2学期から不登校になったが、学校がある間は「きょうも行けなかった。明日は行かなければ……」と思い詰め、毎日元気がなかった。一方、長期休暇に入るとその憂鬱がなくなるので元気になる。しかし、冬休み明けも春休み明けも登校できず、5月の大型連休になって、休み明けにまた苦しい日々が続くと考えたら、死んでしまいたいというか、このまま消えてしまいたいと思った。

多くの子どもは学校がつらくても、行かなくて済む方法はないものと思っている。学校に行かないという選択肢があることをもっと知ってもらう必要がある。

―親など家族の関わりについて。

中村 夏休み中に子どもが元気でも、もし休みの直前に落ち込んでいた様子があれば「夏休みを延長して休みたいだけ休めばいい」と言ってあげてほしい。

松島 子どもが学校に行きたくないと思ったときに「この親なら理解してくれる」と思える姿を親が示すことも大事だ。

教育機会確保法の制定早く

―他に必要な対策は。

中村 先の通常国会で継続審議となった教育機会確保法案の早期成立を求めたい。学校以外に学ぶ方法があり、学校を休んでもいい権利があることを国が法律として保障し、発信することが、親と子の双方にとって重要だと考えている。

フリースクール全国ネットワークのHPは「フリースクールネット」で検索(http://freeschoolnetwork.jp/)

子どもの自殺 内閣府が昨年公表した自殺対策白書によると、過去約40年間の18歳以下の自殺者数を日別で見た場合、9月1日は131人で、平均(49.42人=2月29日を除く)の2.65倍に上る。

教育機会確保法案 学校外のフリースクールや、夜間中学など多様な学びを支援するため、公明を含む与野党が今年5月、議員立法で衆院に提出した。いじめなどで悩む児童・生徒の「休養の必要性」も明記し、不登校などの欠席を認めるように促している。

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