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過剰競争の末路

香港の航空会社キャセイパシフィックの半期決算は利益が82%減となったそうです。東南アジアは航空会社が国の数が多い分だけ競合関係になりやすい状況になります。その上、LCCも各国で花盛りとなり、かつては高いサービスで鳴らしたキャセイの台所事情も厳しいのでしょう。

当地でもバンクーバー発東京行の一部航空券が往復5万円を切る破格の金額(545CAD)で発売されています。これも過剰競争の結果なのですが、航空業界は需要さえあれば基本的にどこにでも飛ばせるので過剰競争が起きやすい業種であります。例えばバンクーバー東京線はインド人の里帰り路線としても利用客が多かったのですが、10月からついにバンクーバーインド直行路線が就航するため、この需要が剥がれ落ちてしまう可能性が高くなります。

これらはグローバル化による過剰競争の典型的な例であります。企業はより業績を拡大させるために外に出ていこうとします。しかし、需要は限りがあるし、一時的なブームやライバル出現もあるでしょう。例えば海外に進出するラーメン店。これはもはや尋常の域ではないのですが、理由は進出しやすい手軽さが背景にあります。それは寿司のような鮮度と熟練技術を求められず、メニューも少なくキッチンはラーメンを作る仕様だけで済みます。このお手軽感覚でどんどん増え続けるラーメン店の供給に対して需要がどこまでついてくるのか、はなはだ疑問です。私もあるラーメン店進出に関して出資の話があったのですが、ラーメン店一軒に1億円かけるその意味合いはどこにあるのでしょうか?

民泊ブームはどうでしょうか?新しいビジネス発想は政府まで動かし、ああでもない、こうでもないといっていたのですが、今後はコアなファンを別としてシュリンクしていくとみています。この類のビジネスは長期安定しにくく、部屋を提供する側も管理をやればとても面倒な仕事だと気が付くはずです。客からすればサービスのばらつきも気になるでしょう。クレームが多い宿泊先はチェックしているとされますが、運営者の言うとおりになるほど簡単にコントロールできません。つまり、本気の経営者しか生き残れないのであります。

中国が苦しんでいます。日経の記事には特に鉄鋼業界の惨状が詳しく記載されていますが、鉄鋼に限らず、あらゆる業界が人員削減に取り組んでいます。職を失った人材は何処に行くのでしょうか?記事に「首を切られず、前より少なくても給与をもらえれば良しとしなければならない」という発言が出ていますが、このコメントはかつて日本でも聞こえたあのリストラの嵐の時代とおなじでしょう。

リーマンショック後に決めた中国の60兆円に上る景気対策で過剰生産設備や過剰住宅供給を行ったことでその反動の清算が追いつきません。2009年頃はリーマンショックで苦しんでいる先進国からは中国の景気対策で一息ついたとその英断をたたえる声が続出していました。

中国は長年の傾向としてもうけ話に人がわっと飛びつきやすく、過剰競争が生み出される素地があります。これが地方都市の不動産バブルであり、造船ブームであり、鉄鋼産業であります。身近なところでは自動車製造メーカーはいくつあるのか知れず、スマホの業界リーダーはころころ変わる状態であります。

カナダは過剰競争が起きにくい国であります。理由は世界第2位の国土に対して人口3500万人では人口密度が十分ではありません。国土の北部の多くは未開の山で主要都市はアメリカ国境沿いにずらっと並びます。その結果、輸送は横横ラインしかなく、アメリカのような四角い形の国でハイウェイが縦横無尽に走っているところとその基礎力が全然違うのであります。

その結果、何が起きるかといえば業界は複占や寡占といった競争の少ない状態に淘汰され適正利潤を確保しやすい企業体質が生み出されました。これは消費側は高い金額を否が応でも受け入れるしかない社会であるとも言えます。ではそんなに価格が高ければ消費者はお金を使わないのか、といえば「払わなければサービスは得られないのよ」と言い、「これが物価だから」と受け入れるわけです。

むしろより付加価値の高いものにシフトしていく傾向すらあります。私はボディソープは一本1500円ぐらいのものを、乾燥肌対策のクリームは2000円ぐらいのものを使いますが、購入の動機は価格で判断したのではなくそれらの価値を見て「相応」だから出費するのであります。つまり効能が先、価格はそれを納得させるかどうか、ということです。

アジアは製造業の拠点でありますが、マスプロダクトから人々の目はよりシビアになってきているそのパラダイムシフトに気が付かないと戦略ミスを犯す気がします。

では今日はこのぐらいで

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