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マスコミのマスコミによるマスコミのためのテレビ報道

■オリンピック報道とSMAP報道の共通点

 4年に1度のオリンピックが始まると日本のテレビ局は挙ってオリンピック番組ばかり放送するようになる。まるで全ての国民がオリンピックを観たいと思っている…いや、観なければいけないと言わんばかりに。
 私のように元々テレビをほとんど観ない人間は、オリンピック時には逆にテレビを観る時間が少しだけ増えるだけなので、特に違和感は感じないのだが、年がら年中、民放テレビ番組に依存しているような人は、かなりの違和感を感じるのだろうと思う。

 しかし、4年後に自国で行われる東京オリンピックでフィーバー(過熱報道)するならまだ理解できるのだが、他国で行われているオリンピックに全テレビ局がこれほどまでに執着するのは確かに少々行き過ぎの感は否めない。いくらオリンピックに国威発揚効果があるとはいえ、日頃からスポーツにそれほど興味の無い人にとっては大きなお世話(有り難迷惑)かもしれない。

 ところで、今回のオリンピック放送では、意外なアクシデントが発生した。それは、SMAPの解散報道がオリンピックの真っ最中に入ったことだが、ここでも日本のテレビ局は、SMAP解散報道を緊急速報テロップで流し、報道番組のトップニュースがオリンピックからSMAPに入れ替わってしまった。まるで全ての国民がSMAPに興味がある…いや、興味を抱かなければいけないと言わんばかりに。

 多くの国民生活に直接的に影響のある喫緊の課題(尖閣問題や皇室問題)を過熱報道するならまだ理解できるのだが、一部のファンにしか影響のないことを全テレビ局がここまで執着するのも少々行き過ぎの感は否めない。SMAPやアイドルにそれほど興味の無い人にとっては大きなお世話(有り難迷惑)かもしれない。

■マスコミ全体主義の問題点

 先の東京都知事選でも、全テレビ局が、知名度の高い3候補者の活動だけを集中的に報道したことは記憶に新しい。まるで、国民はこの3候補者の中から東京都知事を選ぶだろう…いや、選ばなければいけないと言わんばかりに。
 現実的には、この3候補者のうちの誰かが都知事に選ばれるだろうことは誰もが事前に予想していたことだとはいえ、全てのテレビ局が挙ってお節介を焼くという姿勢も、不自然だと言わざるを得ないと思う。

 よく、「テレビ局は偏ったイデオロギー色を出さずに中立の姿勢で報道するべき」という意見を耳にするが、私は別に各テレビ局(NHKは除く)がイデオロギー色を出すのは構わないと思っている。問題は、イデオロギー色が無いが如く振る舞い、全てのテレビ局の報道が同じ方向に偏ってしまうことであり、国民に違った意見が有るということを報道しない姿勢こそが問題なのだと思う。その偏った姿勢こそが見えないイデオロギーになっているのだが、透明を装っているがために、多くの人が、そのイデオロギーに気が付かないことが問題なのである。

 あるテレビ局は保守政党(例:自民党)を応援し、あるテレビ局は革新政党(例:共産党)を応援しても構わない。それらの違った意見を国民が聞いた上で、どちらが正しいことを言っているのか、誰が信用できる人物なのかを判断する材料を国民に提供することがテレビ局の仕事だと思う。「様々な意見を公平に報道する」というのは、そういうことだろう。

 ネットで、あれだけ批判されていた鳥越氏が130万票以上も得票したことは、ネット社会とリアル社会に温度差があることの証明であり、如何にテレビや新聞の報道が偏向しているかを物語っていると言える。

 オリンピックの最中に、「オリンピックなんて興味がない」という人の意見や、SMAP解散ニュースで、「SMAPなんて興味がない」という人の意見も公平に報道する。事の善悪はともかく、そういう違った意見があることを国民が正しく知ることで、何が正しくて何が間違っているのかを判断することができるようになる。情報の違いを吟味し取捨選択していくことによって、社会はより良くなっていく。

 逆に「正しいことはこれだ」と言わんばかりに、テレビ局がお節介にも恣意的に情報をコントロールしていたのでは、社会はより良く成りようがない。

 この全体主義的な姿勢こそが、現在のテレビ局およびマスコミが抱える最大の問題点なのだろうと思う。そのお節介なシステムこそが、民主主義の発展を阻害するシステムに他ならない。

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