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鳥越さんの「僕は知らない」は、ネットでは全く通用しない

 朝日新聞社系のハフポストで鳥越俊太郎氏のインタビュー記事が掲載されています。
「ペンの力って今、ダメじゃん。だから選挙で訴えた」鳥越俊太郎氏、惨敗の都知事選を振り返る【独占インタビュー】
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/10/shuntaro-torigoe_n_11422752.html

 「ジャーナリスト」鳥越俊太郎氏のその人となりが余すことなく露出しており、悲しくも秀逸なインタビューとなっておりますが、それにしても全編を通じて氏の主張は「僕は知らなかった」という無責任な言い訳と、氏の「ネット」に対する憎悪にも近い偏見であります。

 それが端的に現れている箇所を当該記事より抜粋。

――選挙後にご自身のサイトから都知事選の記述を消されていますね?

それは知らない。僕は全くノータッチだから。なくなったの?知らない。見たこともないし。あなたたち(ハフポスト日本版)には悪いんだけれど、ネットにそんなに信頼を置いていない。しょせん裏社会だと思っている。メールは見ますけれど、いろんなネットは見ません。

 ネットは「裏社会」と言い切る鳥越氏であります、今回の自身の敗因を論理的に振り返ることもなく、自身の無能ぶりは完全に無視して全ては他者責任に押しつける「ジャーナリスト」鳥越俊太郎氏なのであります。

 ネットの一部には、今回の鳥越氏の都知事選出馬・惨敗をもって、「彼は年老いてしまった」「晩節を汚してしまった」との同情論にも似た論説も見受けられますが、私はそうは思っていません。

 もともと彼はメディアを媒介とした情報発信者としては、このレベルの極めて不誠実で非論理的で無能な人物であったのであり、今回の都知事選は単にそれが、広く知れ渡ったに過ぎません。

 その意味で今回の都議選での最大の効用は、既存メディア及びそこに巣食ってきた「ジャーナリスト」なる怪しげな職業の、そのメッキが鳥越氏の無能さを通じて、広く一般大衆に理解されたことでしょう。

 この「ジャーナリスト」の言い訳じみたインタビューが朝日新聞社系のハフポストに掲載されているのも興味深いですが、今回はこの問題でお付き合いください。

 ・・・

 さて少しメディア論をさせてください。

 このSNSが普及した時代。情報発信はメディア・ジャーナリストの独占物ではなくなりつつあります。

 考えてみれば一般大衆に情報発信する「ジャーナリスト」など、教員や医師のように免許がいるわけでもなく、何の資格も必要としない職業なのであり、本来社会の誰でも情報発信可能なものである性質だったのが、新聞・ラジオ・TVと既存のマスメディアは、放送電波の免許や独禁法例外の新聞再販制度などで、幾重にも法により守られた選ばれた「特権階級」として情報発信を独占してきただけです。

 旧来のメディアは限られた情報発信手段を独占し、新聞は「大衆」に情報を一方的に発行、TV・ラジオは「大衆」に情報を一方的に放送、情報は「特権階級」であるメディア・「ジャーナリスト」から一般大衆に一方通行に発信されるものでありました。

 彼らが情報発信の特別の能力を有しているわけでもなく単に法により守られた存在であり、自由競争ではなく独占的に発信手段を有しているだけの存在であったために、自分たちの利権を守るために日本では100以上の記者クラブが現存し、今現在も情報源の独占を何とか守ろうとあがいているのは、むしろ滑稽ですらあります。

 記者クラブ制度などマスメディアが「特権階級」であったころの残滓にすぎません。

 さて、ネットの普及により情報の流れは革命的な変化をいたしました。

 今日のネットの技術革新は、ネット上の情報発信を完全にインタラクティブな双方向性、すなわちネット参加者のすべての人に情報発信能力を与えたのです。

 ネットメディアでは、情報発信者が起こした記事は、コメント欄やツイッターなどのSNS、ブックマーク、トラックバック、あらゆる手段で読者の意見がぶつけられていきます。

 アマゾンの商品レビューしかり、ネットメディアの記事ページしかり、ネット情報は完全に双方向性を有しており、リアルタイムに会話的に情報のキャッチボールが可能となった初めての媒体、それがネットなのです。

 ネットでは情報発信はマスメディアの独占物ではなくなった、唯一の情報発信者としての「特権階級」だったマスメディア・「ジャーナリスト」のその独占的「利権」が、インターネットにより今崩れ去ろうとしているわけです。

 新聞などのマスメディアや「ジャーナリスト」がインターネットおよびそのユーザーに徹頭徹尾批判的であるのは、フランス革命時の貴族階級の大衆に対する反応とほぼ同値なのであり、自分たちが能力的に優れているから独占的に情報発信していたわけではなく単に法律に守られていただけの「裸の大様」であったことを、彼ら自身実は痛感している証左でもあります。

 今回の鳥越氏の浅はかなネット批判に代表されますが、彼ら既存のマスメディアや「ジャーナリスト」はネットのメディアとしての特性を真に理解できていません。

 放送や新聞発行といった一方通行の情報伝達手段にすっかり慣れているために、ネットでは情報が双方向で飛び交うことに戸惑ってばかりいます、ときにネットの匿名性や情報精度の玉石混淆なことを批判的に取り上げることはあっても、媒体としてのネットの優れた特性を正しく理解はできていません。

 数年前、「ヤフー知恵袋」が大学入試のカンニングに利用され大きな騒動となりましたが、大新聞はこぞって社説でネット批判を展開いたしました、「だからネットは信用できない」、「ネットユーザーのモラルの低下」うんぬん、勇ましく社説で語られていましたが、「ヤフー知恵袋」の事件が示していたのは、だからネットはだめなんだということではまったくなく、実は本質は真逆であり、ネットが情報発信の双方向性を持つ優れた媒体であるからこそ「ヤフー知恵袋」のようなリアルタイムサービスが実現しているのであり、優れた媒体であるからこそカンニングに悪用されたのであります。

 誰かが疑問に思うことを発信し、その情報の不特定多数の受信者が「解決策」を提案する、リアルタイムなこのようなサービスは、既存の放送や新聞では逆立ちしても真似はできないのですが、新聞の社説ではそのようなネットのメディアとしての特性に対する言及は皆無であり、ただ表層的なネットおよびユーザー批判にとどまっていました。

 ・・・

 選ばれた「特権階級」であるマスメディアが情報発信を独占していた時代に戻ることはもはや不可能でしょう。

 好例は、朝日新聞従軍慰安婦捏造報道問題であります。

 朝日新聞の従軍慰安婦に関する捏造報道はネット上では、何年も前からほぼ完全にトレース・検証されてきました。

 私たちは新聞・TVなどの既存メディアは一方的に情報を垂れ流すだけのメディアであることに気づいてしまいました。

 かつて、マスメディアからの情報は受信するのみ許され、私たちが反論を発信する手段はありませんでした。

 一方、ネットでは私たち自身が情報発信が可能である、参加者になれます。

 この決定的な媒体としての特性の違いをマスメディアや既存ジャーナリストは理解していません。

 彼らマスメディアや「ジャーナリスト」は、少なくともネット上では、もはや情報発信を独占する「特権階級」ではないのです。

 今まで新聞紙面やテレビ放送など過保護に守られてきた媒体から上から目線で論説することに慣れていた彼らは、そして一切の反論を受けてこなかった一方的特権的情報提供者として振舞ってきた彼らは、今日のネットからの強烈な反証や批判にさらされ、自身のメッキが無残にも剥がされていくことに、なすすべを持ちません。

 彼らの口から出るのは非論理的な呪詛だけです、「ネットなどしょせん裏社会だ」と。

 双方向の情報発信が可能なネットにおいては、マスメディアも「ジャーナリスト」も、一参加者に過ぎないことを強く自覚すべきです。

 上から目線で言いたいことだけ言って反論は無視するような、その悪しき「体質」は、ネット上では全く通用しない、もはや貴方がたに「特権」はないことを強く自覚すべきです。

 鳥越さんの「僕は知らない」は、ネットでは全く通用しないのです。

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