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カミナリ上司、結果よければ英雄に

By JOHN SIMONS

 職場でこのような場面に出くわしたことがあるだろう。ある人は部下を怒鳴りつけ、至る所でしかり飛ばすものの、優れた上司としての評価を高めている。別の上司も同じことをするが、こちらは横暴だとのレッテルを貼られる。なぜか?

 多くの場合、それは結果と関係がある。米ジョージタウン大学マクドノー経営大学院のロバート・ビアス教授(経営学)によると、明確な動機を伝え、チーム内に信頼感を醸成し、成功実績に裏付けられた指導者であれば、押しが強くて非常に要求の多いスタイルであっても好意的に見られる傾向が強くなる。

 ビアス氏は、横暴なリーダーであるかどうかは見る側によって決まると語る。人使いの荒いマネジメント手法に対する従業員の見方は、指示を出している人物、そうしたやり取りが行われる状況によって変わってくるのだ。

 同氏の研究では、かなり高圧的な指導スタイルを採用し、総じて大成功を収めてきた「成果にうるさい」指導者の例として、アメリカンフットボールのコーチ、ビンス・ロンバルディ氏、体操競技で米国代表のコーチを務めたこともあるカーロイ・ベーラ氏、カリスマ主婦として知られ、メディアと商売を操るのにたけたマーサ・スチュワート氏の名前を挙げている。

 ビアス氏は共著で、「これらのリーダーは大声を自身の『ブランド』にしているが、成績の良いチームと出来のいい部下を輩出することで称賛を浴びてきた」と書いている。「実際、彼らは人々を鼓舞して大きな手柄を勝ち取らせるため英雄視されることが多い。つまり、『動機付けのマスター』と見られているのだ」

‘「これらの指導者は大声を自身の『ブランド』にしているが、成績の良いチームと出来のいい部下を輩出することで称賛を浴びてきた」’

—ロバート・ビアス教授、米ジョージタウン大学マクドノー経営大学院

 米アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏も今では粗暴な振る舞いの代名詞的存在になっている。周囲の人たちの間で、ジョブズ氏があくまで完璧を追求する人間であることは有名だった。

 ビアス氏はジョブズ氏のどこに注目したのか。ビアス氏は「私がMBA(の学生)に教えようとしていることは、彼(ジョブズ氏)を良い指導者そして悪い指導者に仕立てているのが何なのかを見極めさせることだ」と説明。「指導者とは、複数のシグナルを同時に送る複雑な人物だ。ジョブズ氏に関しては、横暴だった証拠がいくらでもある。ただ、士気を高める人物だったと見ることも可能だ。彼は最高の製品を求めて限界に挑んでいたのだ」と話した。

 ビアス氏は厳しい職場を擁護しているわけではない。ただ、同氏の研究では、時に「大声を張り上げて(従業員の)才能を引き出す」指導者がもたらす恩恵を確かに認めている。

 適切な流れで注意深く適用されれば、強く発破をかけることが人々にやる気を起こさせる効果的な方法になり得ると、ビアス氏は指摘する。なぜなら「あなたを落としめようとではなく、高めようとしているのだから」。

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