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私立大学の定員割れ問題 初等教育は軽視で大学は全入という教育制度の崩壊

 私立大学が定員割れに苦しんでいます。

 大手予備校も規模を縮小している時代ですが、私立大学では定員割れが常態化し、それが年々、悪化しています。
私大の44%、定員割れ…大規模校に入学者集中」(読売新聞2016年8月5日)
「今年度の入学者数が定員を下回った私立大学は全体の44・5%で、前年度に比べて1・3ポイント増えたことが4日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。

 都市部の大規模校に入学者が集中する一方、小規模校が定員確保に苦しむ実態が浮き彫りになった。」
 地方では、既に定員を確保するために中国や韓国からの留学生に依存していることも少なくなく、日本人だけを前提にすればとっくに廃校となっていてもおかしくはない状況です。

 他方で、専門学校を大学などに格上げするようなことまで行われています。

 かつて田中真紀子文科相(当時)が認可すべきという答申があったにもかかわらず不認可(後に撤回し認可)したことが大いに話題になりました。
法科大学院制度の在り方 田中真紀子文科相の「決断」から考える

 大学は研究の拠点であり、私立大学の存在も不可欠です。しかし、大学全入になるような数の私立大学が必要かといえば、そうではないでしょう。既に留学生がほとんどという状況になってしまった状況の中で、しかもその留学生が経済活動目的とも言われている中で、この歪な状況を維持していくことに意義はありません。

 そもそもいずれ少子化により大学進学者が減少に転じることは大分、前からわかっていたことなのに、それでも大学を認可してきた文科省の対応は問題であり、小学校の教育の充実がなおざりにされている中では、なおさら弊害ばかりしか出てきません。

 小学校、中学校の教育 少人数教育を実現することは先送りです。
(文科省は実現したいようですが、財務省が拒否、政権も同調)

 学部の創設も含め、大学はさらに認可し、定員数は増加の一途です。
(昨今、募集停止が出てきたため、単純に増加していくわけではありません。)

出典は文科省資料
増え続ける定員

 大学側は入学者の確保のため、「面接」とか「推薦」によって合否を決める、つまり誰でも合格させるという意味になるわけですが、一般入試による選抜する枠はますます減少していくことでしょう。

 そうなると学生の学力の低下はますます顕著になっていきます。

 初等教育は軽視、大学は全入では目も当てられません。

 これでは日本の教育全体が沈没してしまいます。

 増やしてしまった大学をどのように整理するのかという問題ですが、大学自治(学問の自由)との関係では大きな問題はありますが、大きな改革に迫られているということは否定しようもありません。

 文科省が考えていることは、「文部科学省は、定員を超過した大規模校への補助金の削減率を段階的に厳しくするなど、学生の偏在を是正したい考えだ。」(前掲読売新聞)だそうですが、その程度の小手先の「改革」でどうにかなるようなものではありません。

 現在、法科大学院制度がこの問題の最先端を突き進んでおり、崩壊が間近です。

 文科省は、どうしてこのような失態ばかりなのでしょうか。

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