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休みは月3日だけ、顧問の暴言で部員も自殺 生徒も教員も疲弊する「ブラック部活」に意義はあるのか

地域によっては参加が強制になっている中学高校の部活動。部活に入ると、仲間ができ、学校生活が充実するという良い面はある。だが学業との両立に支障をきたしたり、指導と称して顧問から暴言を吐かれたりするケースもあり、「ブラック部活」としてネットでしばしば議論されている。

8月1日放送の「クローズアップ現代」(NHK総合)では、「ブラック部活」を特集。公立中学校の吹奏楽部に通う生徒のスケジュールが紹介された。

「日本人は苦行が人間を成長させると言う盲信が根強い」

7月の内訳は、朝8時~夕方5時までの練習が14日間、朝練+放課後練習が12日間、コンクールが2日間。土日も練習に充てられることが多いので、実質的な休みは3日間だけだった。その貴重な休みも半強制的に自主練をさせられるといい、部活が全ての生活を送っているという。

また、吹奏楽部に所属する別の生徒の母親は、顧問から受ける日常的な暴言によって生徒が心身の調子を崩したと話す。

「ふざけんなよ。(イスを蹴る音)やんなくていいよ。帰れ!帰れよ!(コンクール)1日前にこれなのかよ」

中には、顧問から受けたハラスメントが原因で自殺した生徒までいる。長時間拘束や暴言が常態化した部活動はブラック企業と変わりない。国士舘大学の調査によると、大学生の27%、4人に1人が中学高校時代に顧問から暴言を受けたことがあるという。

番組を見た人からは「日本人は苦行が人間を成長させると言う盲信が根強いんだよな」という感想のほか、「うちの子供もブラック部活から不登校になりました。顧問を見るだけで震えていました」という悲痛な声も出ていた。

現役教師は、「部活動を勝利至上主義として捉えている関係者からのプレッシャーが顧問にあるんです。しかも顧問業はボランティアですから。まずは指導者側の現状を改善すべきです」と現状を述べた。

「なぜ部活をしている方が『偉い』のか」親の投書が話題

たしかに、過剰な「指導」の背景には教員の過重労働もありそうだ。多くの教師が強制的に部活動の顧問をやらされ、放課後や土日もほぼボランティア状態で指導にあたることになる。2011年には大阪・堺市の市立中学校で、バレー部顧問を勤めていた当時26歳の男性教員が死亡し、過労死認定された。生徒だけでなく教員もブラックなのだ。

こうなると「部活動に意味があるのか?」という疑問が湧いてくる。実際、保護者からも部活動のあり方を問う声が聞かれる。7月2日付けの朝日新聞には、中学生の子どもを持つ母親から寄せられた「部活に縛られる現状おかしい」という投書が掲載された。

「なぜ中学に入った途端、ほとんどの時間を部活に費やさなければいけないのでしょうか。そして、なぜ部活をしている方が『偉い』と思われるのでしょうか。がんばる対象は部活でなくてもよいはずです。有意義な時間の使い方はほかにもあります」

と、部活動への参加が当たり前という現状に疑問を呈した。この投書はネット上で拡散され、「したくない生徒も部活を強制され、教師はろくな手当も出ないのに土日まで労働させられるってもうわけかんねえな」といった声が出ていた。

生徒や教員、保護者から見ても問題だらけなのが今の部活動だ。「部活動は何のためにあるのか?」という根本的な部分を改めて見つめ直す時期に来ているのではないだろうか。

あわせてよみたい:中学校教員「文科省はブラック」

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