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日本の音楽人が魅了される「リオデジャネイロという生き方」 音楽・放送プロデューサー/選曲家 中原仁氏インタビュー - 本多カツヒロ

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開幕が差し迫ったリオオリンピックだけでなく、2年前のブラジルワールドカップ開催前にも工期の遅れや治安の悪さといったネガティブな報道が相次いだブラジル。しかし、燦燦と日差しが照りつけるリオのコパカバーナビーチで楽しそうに過ごす人々やサンバカーニバルの模様を目にすると陽気な雰囲気が伝わってくる。

 リオ・デ・ジャネイロとは一体どんな街なのか。今回、打楽器奏者、DJ、選曲家、MC、リポーター、そしてリオ市公式プレゼンターを勤めるケイタ☆ブラジル氏と共著で『リオデジャネイロという生き方』(双葉社)を刊行した音楽・放送プロデューサー/選曲家の中原仁氏に、リオのスポーツ、食、サンバ、そして「カリオカ」と呼ばれるリオっ子の気質などについて話を聞いた。

――もうすぐ開幕するリオデジャネイロオリンピック、そして2014FIFAワールドカップブラジル、さらに経済発展と近年はブラジルが注目を浴びています。1985年以来、ブラジルに50回近く訪れている中原さんとケイタさんが今回、同国の中でもリオというひとつの都市にこだわって書いた理由とはなんでしょうか?


『リオデジャネイロという生き方 不安も悩みも笑顔に変える「幸福の個人技」』

(中原仁,KTa☆brasil 著、双葉社)

中原:85年に初めてブラジルへ行ったときは、リオ・デ・ジャネイロとサンパウロ、そしてリオと同じくカーニバルが盛んなバイーア州のサルヴァドールとそれぞれ魅力ある3つの都市を訪れました。その中でもリオが一番しっくりくると感じましたね。リオは大都会でありながら海や森や山に近く、そのことが横浜や湘南地区に近いものを感じ、神奈川県育ちの僕は親近感を持ったのでしょうね。

 また、これまで50回近く訪れていますが、音楽の仕事で行っているため、リオばかりで、アマゾンも知りませんし、イグアスの滝へも行ったことがないんです。

 だからブラジルといえばリオで、リオという都市が大好きなんです。

――今から約30年前にブラジルに降り立った時の印象はどんなものでしたか?

中原:空港に到着した時「酒臭いな」というのが第1印象でした(笑)。これはお酒のことではなく、当時ブラジルは、エネルギー危機に対応するためにアルコール燃料の車が多く走っていたからなんです。

中原:また空港から宿まで向かうバスに乗っていると、ブラジル人は皆、自分がF1レーサーだとでも思っているかのように、車線を無視し猛スピードで運転しているんです。ブラジル人F1ドライバーのネルソン・ピケが、すでにワールドチャンピオンとなり有名でしたから、F1の国だというイメージは持っていたのですが、さすがにこれにはカルチャーショックを受けました。

 3つ目は、到着した日の夜、リオ生まれのシンガー・ソングライターのイヴァン・リンスのコンサートへ行った時、曲が始まると観客が一斉に大合唱を始めたことです。

 この3つは全て初日に起きた出来事で、今でもよく覚えています。

――後にF1ではアイルトン・セナが活躍します。そしてやはりブラジルといえば、サッカー大国です。サッカーが生活に溶け込んでいると感じることはありますか?

中原:もちろん全員がサッカー好きというわけではありませんが、生活に欠かせないものとしてあるのではないでしょうか。

 南米大陸のクラブチームナンバーワンを決定するリベルタドーレス杯の決勝戦が、もしブラジルのクラブチームとライバルであるアルゼンチンのクラブチームの対戦になったとします。おそらく決勝に進出したブラジルのチームのライバルチームのサポーターは、アルゼンチンのチームを必死に応援するでしょうね。それくらい歴史が違いますし、おらがチームに対する愛は凄い。これが日本なら、日本のクラブのサポーターでないとしても、日本から出場しているチームを応援する人が多いでしょうから、なかなか理解しがたいところですね。

――ブラジルは他にも様々なスポーツが盛んな印象があります。

中原:
リオではマリンスポーツが特に盛んです。サーフィンの世界大会で優勝するようなサーファーを多数輩出していますし、有名なサッカーチームであるグレミオの本拠地ポルト・アレグレも海沿いの街で世界的なサーファーが数多く出ています。

 他にもウィンドサーフィン、ワールドカップでブラジル代表が13回も優勝しているビーチサッカー、男女共に世界大会で最多の優勝回数を誇るビーチバレー、フットバレー、コパカバーナビーチで誕生したフレスコボール、ヨットも盛んです。

中原:つまり、お金がなければビーチでボール1個を使ってビーチサッカーやバレーを楽しめるし、お金に余裕のある人達はヨットなどを楽しむことが出来る。リオのビーチではこのように様々なスポーツを楽しむ人、泳ぐ人、のんびり過ごす人、立ち話をする人と思い思いに過ごしていて、日本のビーチのような規制はありません。

――30年前に印象に残ったこととしてコンサートでの大合唱を話していただきましたが、日本人とブラジル人では音楽に対する距離感が違いますか?

中原:僕が普段接しているのはミュージシャンなのであまり一般性はないですが、一般のブラジル人と比べても、日本人のようにマニアックな聞き方をする人は少ないですね。それよりも生活の中に当たり前に音楽がある。

 例えばブラジルには多くのラジオ局があり、各局ごとにサンバやポップス、ブラジルのカントリー演歌のような曲から英米のヒット曲までを流しています。

 またテレビドラマの影響も外せないと思いますね。ブラジルでは、ノベーラと呼ばれる連続ドラマが帯で毎日3~4つ放送されていて、そのどれもが高視聴率なため、そこで使用されるテーマ曲や挿入歌は、みんなが覚えてヒットするという分かりやすいシステムがあります。

――老若男女問わずみんなが知っている曲が未だにたくさんあるんですね。

中原:そうですね。家族社会の伝統が親から子へ、そして子から孫へ受け継がれているのをすごく感じます。日本のように世代間で断絶していない。ですから、古い曲であっても若い人も知っている。例えば、ブラジルポピュラーミュージックの大御所と言われるシコ・ブアルキのコンサートには親子で来ているのをよく見かけます。

 そしてなにより歌うことが大好きですね。

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