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働き方改革なくして女性活躍社会の実現なし 日本企業の「体質改善」急げ - 坂本幸雄

 外国企業とミーティングすると、相手側の責任者として女性が現れることが珍しくない。欧米企業のみならず、台湾のUMCやADATA、中国の華為(ファーウェイ)の幹部にも女性がいる。政界に目を転じると、米国大統領選ではヒラリー・クリントン氏が有力候補となっているが、台湾では蔡英文氏が、韓国では朴槿恵氏が国家元首となっている。

 言うまでもなく、人類の半数は女性であり、男性社会の国ほど能力の高い女性が埋もれているといえる。ということは、日本は成長の余地ありということだ。

 保育所はコスト負担が大きいことから、自治体任せでは待機児童問題はなかなか解決しない。企業内保育所を設ける方法もあるが、お金がかかる。ただ、周囲の企業と共同で保育所を設けるという選択肢もある。企業内保育所を整備している企業は一部にとどまるため、早期に環境を整備した企業は、優秀な女性を確保できる機会が増えるともいえるだろう。

 20年以上前の話になるが、当時、私が勤めていた米テキサス・インスツルメンツ(TI)では、職種を問わず、将来有望と見込まれた若手女性社員にメンター(教育係)をつけ、昇進の機会をつくる制度があり、続々と優秀な女性社員が引き上げられた。今では数多くの女性社員がTIを支えている。

 エルピーダメモリのCEOを務めていたときも、優秀な女性社員の引き上げを図った。エルピーダは日立、NEC、三菱電機の半導体部門が切り離されてできた企業で年功序列制度に慣れている社員が多くいたが、これを実力主義に改め、若くとも優秀な社員は男女問わず引き上げた。

 TIでは「差があることは価値」と言われ、積極的にダイバーシティ(多様性)を取り入れ、議論も活発に行われていた。しかし、日本企業は未だに「議論は避け、出る杭にならないようにする」文化が根強いように感じる。男性とは異なる女性の視点を面倒に思うのではなく「価値」と捉えるべき、というと当たり前に聞こえるかもしれないが、実践できている日本企業は少ないだろう。

 女性が活躍できる環境の整備を突き詰めて考えていくと、日本企業の悪しき働き方の問題に行き着く。例えば次のような点だ。

・ITが発達した現在、毎日職場に出勤する意味はあるのだろうか?

・9時~17時という勤務時間に意味があるのだろうか? 子どもが起きる前、幼稚園にいる時間、子どもの就寝後の時間を合わせて8時間働けばよいのではないだろうか?

・そもそも1日8時間働くということに意味があるのだろうか? 勤務時間ではなく、成果をベースに働くべきではないだろうか?

 女性が活躍できる環境を真剣に考えることは、日本企業に染みついている非効率な働き方を見直すことにつながる。これはどの企業にとってもプラスに働くはずだ。

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