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中村 中が語る女性観:「やっぱり(自分は)女性ではないなって思うときがある」

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photo by RSJ

InterFM897と本誌のコラボレーションで、毎月第3火曜日の夜21時から生放送でお送りしているラジオ番組『(Are You Rolling? )We Are Rolling!』7月19日O.A分の一部を紹介。

最新号に来日公演のレポートも掲載されている、 "パンクの女王" ことパティ・スミスによるザ・フーのカヴァー『マイ・ジェネレーション』でスタートした『(Are You Rolling?)We’re Rolling!』。DJを務めるのは、小誌シニアライターのジョー横溝。

今回のゲストは、最新号の特集「Woman」を主観/客観の両側面から語ることの出来る希有な存在として、今年デビュー10周年を迎えたシンガー・ソングライターの中村 中が登場。デビュー2作目で男性として生まれたが精神的には女性で、現在は女性として生きる "トランスジェンダー" であることをカミングアウトし、世間を揺るがせた。そんな彼女が思う女性観とは? 自身の中に眠る男性的な部分と対比させ、女性という存在を多面的に説いていく。

―ジェンダーのことを告白した後、世の中的にはどんな反応だったんですか?

当時はトランスジェンダーって言葉がそんなに有名じゃなくて、 "性同一性障害" と言われていたんですけど。公表して、その翌年の紅白歌合戦に赤組で出た時はニュースになりましたね。同じような境遇の人たちから "よく赤で出てくれた、大きな一歩だ" みたいな手紙を貰ったりして。喜んでくれてよかったな、と。

―某NHKさんと何か擦った揉んだあったんですか?

全然某じゃない(笑)。そういうのはまったく無くて、最初から "絶対赤でしょう" って。きっとテレビ局のスタッフさんたちにも "その人の生きたいような姿で出そうよ" っていう気持ちがあったんだと思います。私の方から "どうしても(赤で出たい)" って話はしていないので。

―やりますね、某NHK(笑)。

でも、公表した後、週刊誌の人に "身体どうなってんの?" とか聞かれたりするのは嫌だったかな。"どうやってHしてるの?" とか。それ新曲と関係ありますか? って。今となっては自分で曲を書いてるから、どんな風に恋人と過ごしているのかというのも楽曲に影響あるだろうと思いますけど、当時は公表したものの、そうやって聞かれるのが辛くて。

―10年前だと年齢的にもね。

21歳でした。デビューして攻めたい気持ちもあったけど、実際は守りに入ってたような気がします。

―中村 中の理想の女性像とか、女性に対する思いを聞かせてもらえれば。

女性は憧れでもあり、目の上のたんこぶでもあるっていう感じ。子供を宿せるってすごい尊いことだし、良いなって思う反面、昔好きな人がいて一生懸命アタックしても男だからってことで付き合えなくて、後からフラッと来た女の子に取られたりして "くっそー!" って思う対象でもある。でも、それって男の人に対しても思うんですよね。どっちの性にも "いいなハッキリしてて" っていうネガな憧れとポジな憧れがある。

―例えば女性アーティストとかで、こういう人を夢見てきたとかってあったりするんですか?

私のフェイバリットはちあきなおみさん。やっぱりね、声帯が羨ましい。基本的にキーが高くて、それでいて低い声も出るっていうのがカッコいいなって。そういう声って私は出ないから、悩んでましたね、結構。デビューしてからも悩んでました。そんな時 "君にしか出せない声だよね" みたいなことを誰かに言われたことがあって、そうか、そういう風に考えてもいいのかって思ってから、そんなに気にならなくなりましたけど。女性に対しての憧れが強くて "絶対こうじゃなきゃダメ" とか思ってたんですよね。例えば高いラシドの音も地声で出さなきゃって無理矢理ミックスヴォイスを使って出そうとしたり、性別が分からないように歌おうとしたり。その反面、やっぱり低めのキーで大きい声で歌うのも好きで。今も迷いながらやっていますけど、この迷いこそ自分の楽しみに最近はなってきたかな。

―そこがある意味、表現の一番汁が出てるところなんでしょうね、きっと。

そう思えるようになってきましたね。役者の仕事がそうさせてくれたのかもしれない。要はスイッチじゃん、みたいな。例えば私は自分で曲を書きますけど、それを女性っぽく歌うか、男性っぽく歌うかっていうのは選択肢として選べばいい。あとは優しい気持ちなのか、それとも怒っているのかとか。それって役者の "この台詞はどういう気持ちで言うか" っていうのと似ていて、サブテキストとかよく言いますけど、例えば "ありがとう" って台詞も、言葉の抑揚で内面が全然違って感じる。それと同じ感覚で、歌詞に書く一人称も "私" と "僕”" と "俺" から選んだり。そうやって、書きたい内容によって変えればいいんだって思えるようになったんです。

―女性をチョイスする時は優しさで、男性の時は意地っ張りとか、そういうこと?

それよりは、もう少し感覚的で、この歌を優しく歌いたいか大きい声で歌いたいかくらいの。そこはちょっとさっぱりしてる(笑)。

―意外とさっぱりしてる(笑)。

そうそう。まぁ、音楽ですからね。あんまり考え込むのも良くないかなって。

―感覚的に曲を作っていった方がいいってこと?

そう。きっとデビュー当時は音を鳴らす前に "どう見られたいか" っていうのを気にしていたと思うんです。誰が見ても女性として見えるようにしたいとかね。でも、そこを気にしてたら音楽じゃないよなぁとか。

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